看護師の仕事は、患者さんとの距離が近く、第一印象がとても大切。清潔感があり、機能的で、好印象を与える「服装」と「髪型」は、現場で信頼を得るための大事なポイントです。
この記事では、現役看護師の視点から、実際の職場で選ばれる服装や髪型、NG例、面接時の注意点まで詳しく解説します!
医療現場では、服装や髪型が患者さんの心理に与える影響は想像以上に大きいものです。清潔感のない外見は不安を与え、適切でない身だしなみは医療スタッフとしての信頼性を損なう可能性があります。
一方で、きちんとした身だしなみは患者さんに安心感を与え、治療への信頼につながります。
看護師の服装マナー|基本とNG例
白衣・スクラブの選び方
勤務先によって指定の制服がある場合もありますが、私服通勤→更衣室で白衣に着替えるスタイルが一般的。スクラブの場合は派手すぎない色味(ネイビー・ライトブルー・ピンク系など)が好まれます。
近年、従来の白衣からスクラブスタイルに移行する医療機関が増えています。
これは機能性と清潔性の向上が理由で、動きやすさと洗濯のしやすさが評価されています。特に救急外来やオペ室、ICUなどの急性期病棟では、スクラブが主流となっています。
ほとんどが病院で貸与されることが多いのですが、パートや派遣で勤務するときには持参が必要なこともあります。
選ぶポイントは、以下の3つ:
- 動きやすい素材(ストレッチが効いている):長時間の勤務で体に負担をかけないよう、4WAYストレッチ素材がおすすめです。特に前屈みになることの多い看護業務では、背中や腰回りの動きやすさが重要になります。
- 透けにくい色・生地:白やライトピンクなど淡い色のスクラブを選ぶ際は、生地の厚みを必ず確認しましょう。試着時に下着が透けて見えないか、同僚にチェックしてもらうことをお勧めします。
- サイズ感が合っている(大きすぎない・ピチピチしない):大きすぎるサイズはだらしなく見えるだけでなく、袖口が汚染されやすく衛生的ではありません。反対に小さすぎるサイズは動きにくく、体のラインが出すぎて不適切です。
職場別スクラブ選びのコツ
病棟勤務の場合:患者さんとの接触時間が長いため、落ち着いた色合いが好まれます。ネイビー、グレー、深めのグリーンなどが人気です。夜勤もある場合は、汚れが目立ちにくい濃い色を選ぶ看護師が多いです。
外来勤務の場合:多くの患者さんと短時間で接するため、親しみやすい印象を与える明るめの色も適しています。ライトブルーやピンク、薄紫などが選ばれることが多いです。
手術室勤務の場合:多くの場合、病院指定の手術着を着用しますが、私服として着るスクラブは機能性を重視します。ポケットの数や位置、速乾性のある素材などをポイントに選びましょう。
インナーと靴にも気を配ろう
スクラブの下に着るインナーも意外と見られています。白・ベージュ・グレーなどの無地で、七分~長袖が定番。派手なロゴやレース素材は避けましょう。
インナー選びで特に注意したいのが、汗対策と透け対策です。医療現場は温度管理がされているものの、忙しい業務で汗をかくことは避けられません。吸汗速乾機能のあるインナーを選び、替えを1枚ロッカーに常備しておくと安心です。
また、冬場は防寒対策として長袖インナーを着用しますが、袖がスクラブから出ないよう注意が必要です。患者さんに接触する際に袖口が汚染の原因となる可能性があるからです。
靴はナースシューズまたはスニーカータイプ。かかとのないサンダルやヒールは基本NGです。
足元は安全性と清潔性の両方が求められます。滑りにくいソール、つま先が保護されている、洗いやすい素材であることが重要な選択基準です。
最近は、医療従事者向けに開発されたスニーカータイプのナースシューズが人気で、クッション性と耐久性を兼ね備えています。
NGな服装の例
以下のような服装は、医療現場では不適切とされます:
- 派手な柄・キャラ付きのインナー:患者さんによっては不快に感じる場合があります
- ノースリーブや透け感の強い服:衛生面と見た目の両方で問題があります
- 裾が長すぎて引きずるパンツ:転倒リスクと汚染リスクが高まります
- 露出の多い服装(胸元が開いている、短すぎる丈など):医療従事者としての品格を損ないます
どれも「不衛生」「不快感」「不注意」の印象を与えかねないので要注意です。
特に気をつけたいのが、季節の変わり目です。暖かくなってくると軽装になりがちですが、医療現場では一年を通して適切な服装を維持することが求められます。
看護師の髪型マナー|清潔感と機能性がカギ
髪の長さ別・まとめ髪のおすすめ
ロング・セミロングの方
- 一つ結び or お団子でしっかりまとめる:髪の毛が患者さんに触れることを防ぎ、処置時の邪魔になりません
- 後れ毛は出さない:ヘアスプレーやジェルを使って、きちんと固定します
- ピンやクリップで固定(派手すぎないもの):黒・茶・シルバーなどのシンプルなものを選びましょう
ロングヘアの場合、お団子の位置にも注意が必要です。高すぎる位置では子供っぽく見え、低すぎると作業時に邪魔になります。耳の高さか少し下の位置でまとめるのが理想的です。
ミディアム・ボブの方
- ハーフアップ or ゴムで軽くまとめる:全体を縛れない長さでも、顔周りをすっきりさせることが重要
- 耳にかけて顔周りをすっきり見せる:患者さんとのコミュニケーション時に表情がよく見えます
ボブヘアの場合、肩にかかる長さなら軽く結ぶか、ヘアピンで留めることをお勧めします。特に前屈みになる作業が多い看護業務では、髪が前に落ちてこないよう対策が必要です。
ショートの方
- 前髪が目にかからないように:視界の確保と清潔感の両方のため
- 寝ぐせ・浮き毛は整える:ワックスやスプレーで軽く整えますが、香りの強すぎるものは避けましょう
朝ラク!時短アレンジ例
忙しい朝でも簡単にできるヘアアレンジをご紹介します:
くるりんぱで清潔感アップ:一つ結びにした後、結び目の上で毛束を二つに分け、毛先を上から通すだけ。簡単なのにきちんと感が出ます。
シンプル三つ編み+まとめピン:三つ編みにして毛先をピンで留めるだけ。崩れにくく、長時間勤務でもきれいな状態を保てます。
ヘアクリップを使ったお団子風アレンジ:髪をねじりながらまとめて大きめのクリップで留めるだけ。不器用な方でも簡単にできます。
これらのアレンジは、どれも5分以内でできるものばかりです。前日の夜にヘアオイルなどで髪を整えておくと、朝のセットがより楽になります。
※職場によっては「お団子NG」「毛先はネットに入れる」などルールがある場合もあります。手術室や分娩室などでは、より厳格な規則が設けられていることが多いです。
NGな髪型・アイテム
以下は医療現場では避けるべき髪型とアクセサリーです:
- 髪を下ろしたまま(ロング・ボブ問わず):衛生面で問題があり、業務の妨げにもなります
- カラーが明るすぎる(10トーン以上は避ける):患者さんによっては不快感を与える可能性があります
- キラキラ・リボン付きのヘアアクセサリー:医療現場にはふさわしくありません
- 香りの強い整髪料(ワックス・スプレー):患者さんに不快感を与えたり、アレルギー反応を起こす場合があります
男性看護師の身だしなみポイント
男性看護師も増えている現在、男性特有の身だしなみポイントもお伝えします:
髪型:短髪で清潔感重視。前髪は眉にかからない長さに。整髪料は無香料のものを選びましょう。
ひげ:基本的にはきれいに剃るのがベスト。もしひげを生やす場合は、きちんと整えられた状態を保つ必要があります。
爪:女性以上に注意が必要です。短く切り、清潔に保つことが重要です。
アクセサリーとメイクのマナー
適切なアクセサリー選び
ピアス・イヤリング:小さめのスタッドタイプが基本。揺れるタイプや大きなものは避けましょう。色は金・銀・パールなどの上品なものを選びます。職場によってはピアス・イヤリング自体禁止されているところも多いので、就業規則を確認しておきましょう。
ネックレス:スクラブの中に隠れる長さのもの。チェーンが見えてしまう場合は外しましょう。宗教的な意味のあるペンダントも、できるだけ見えないようにします。
指輪:結婚指輪は着用可能な職場が多いですが、処置時には外すことが求められます。石の大きなリングや複数の指輪は適切ではありません。
時計:秒針付きのもので、防水機能があると便利です。文字盤は見やすいものを選び、ベルトは洗いやすい素材がお勧めです。
看護師のメイクマナー
医療現場でのメイクは、「ナチュラル」が基本です:
ベースメイク:薄付きで自然な仕上がりに。ファンデーションは、マスクに付きにくいタイプを選ぶと良いでしょう。
アイメイク:ブラウン系の落ち着いた色で。ラメやパール感の強いアイシャドウは避けます。マスカラは滲みにくいタイプを。
リップ:自然な血色に見える程度。真っ赤な口紅や光沢の強いグロスは不適切です。
香水:基本的にNG。どうしても使いたい場合は、ごく少量で無香料に近いものを。
面接や初出勤時の服装と髪型はどうする?
面接時の服装
基本はスーツスタイル
- 上下スーツ or 落ち着いたジャケット+パンツ/スカート
- 色は紺、グレー、黒などの落ち着いた色合い
- スカートの場合は膝丈か膝下の長さ
- シンプルなブラウスやカットソーをインナーに
靴とバッグ
- 黒か茶色のパンプス(ヒールは3-5cm程度)
- バッグは書類が入るサイズのA4対応のもの
- 色は服装に合わせて統一感を持たせる
髪型とメイク
- 髪はすっきりまとめて清潔感重視
- 前髪は目にかからないように
- 最低限のメイク(ノーメイクはNG)
- 顔色が良く見える程度の薄化粧
面接では、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるような印象を与えることが大切です。過度におしゃれをする必要はありませんが、社会人としてのマナーは守りましょう。
初出勤時の準備
初出勤は特に慎重に身だしなみを整えましょう:
服装の確認
- 職場のルールに従うのが基本
- 制服が支給される場合でも、インナーや髪型は要注意
- 事前に職場見学をして、先輩スタッフの服装を参考にするのもお勧め
持ち物チェック
- 替えのインナー
- ヘアゴム、ピンなどの予備
- 無香料のハンドクリーム
- ミニサイズの制汗剤
心構え
- 最初の印象が今後の人間関係に影響するので、控えめ+清潔感が鉄則です
- 分からないことは積極的に質問する姿勢も大切
現場の声|服装や髪型で気をつけていること
私がこれまで働いてきた病院・クリニック・訪問看護では、「派手すぎない・だらしなくない・誰から見ても不快感のない格好」が求められていました。
医療現場では、様々な年齢層や価値観を持つ患者さんと接します。そのため、万人に受け入れられる身だしなみを心がけることが重要です。
「えっ、そんな細かいとこまで見てるの?」と思うようなところで、患者さんや同僚から声をかけられることも。
実際に言われたこと
- 「白衣から下着が透けてたよ」:これは同僚からの指摘でした。本人は気づいていなかったため、とても感謝されました
- 「髪の毛、しっかり結んだ方がいいよ」:処置中に髪が落ちてきているのを見た先輩からのアドバイス
- 「ピアス目立つかもね」:患者さんからの何気ない一言。悪意はありませんでしたが、考えさせられました
季節別の注意点
春夏:薄着になる季節ですが、露出は控えめに。汗対策として、制汗剤の使用や着替えの準備を。
秋冬:重ね着が増える季節。スクラブの下に厚手のインナーを着る場合、動きにくくならないよう注意。静電気対策も忘れずに。
梅雨時期:湿気で髪が乱れやすい時期。普段より強めのセット力のあるスタイリング剤を使用したり、まとめ髪のバリエーションを増やしておくと便利です。
トラブル事例と対処法
ケース1:スクラブに汚れがついてしまった 対処法:替えのスクラブを常備。応急処置用のシミ抜きペンも用意しておく。
ケース2:髪型が崩れてしまった 対処法:ヘアゴムやピンを複数個携帯。休憩時間に鏡でチェックし、こまめに直す。
ケース3:患者さんから服装について指摘された 対処法:素直に受け入れ、改善する姿勢を見せる。同僚や上司に相談し、適切な服装を確認する。
そんな経験を経て、今では「誰に見られても安心なスタイル」を心がけています。
職場環境別の身だしなみポイント
一般病棟
患者さんとの接触時間が長いため、親しみやすさと信頼感の両方が必要。落ち着いた色合いのスクラブと、きちんとまとめた髪型がポイントです。
ICU・救急外来
緊急性の高い処置が多いため、機能性を重視。髪は完全にまとめ、アクセサリーは最小限に。動きやすい服装が必須です。
外来・クリニック
多くの患者さんと短時間で接するため、第一印象が重要。明るく清潔感のある服装で、親しみやすい印象を与えることが大切です。
訪問看護
患者さんのお宅を訪問するため、より一層の配慮が必要。家庭的な雰囲気を壊さない、上品で控えめな服装が求められます。
身だしなみチェックリスト
毎日の出勤前に確認したいポイントをまとめました:
服装チェック
□ スクラブは清潔で、しわがない
□ インナーは透けていない
□ サイズは適切(大きすぎず、小さすぎず)
□ 靴は清潔で、滑りにくい状態
□ 名札は正しい位置に付いている
髪型チェック
□ きちんとまとめられている
□ 後れ毛は出ていない
□ 前髪は目にかからない
□ ヘアアクセサリーは派手すぎない
□ 整髪料の香りは強すぎない
その他
□ 爪は短く切られている
□ アクセサリーは適切
□ メイクはナチュラル
□ 香水は使用していない
□ 口臭・体臭のケアができている
まとめ|清潔感+安心感=信頼感
看護師の服装と髪型は、“自分を表現する”のではなく、”相手に不安を与えない”ためのもの。
医療現場で働く私たちは、患者さんにとって「信頼できる医療従事者」として見られることが重要です。適切な身だしなみは、専門性と人間性の両方を表現する大切な手段なのです。
どんな現場でも、清潔感と落ち着きのある見た目は武器になります。自分の身だしなみを整えることは、患者さんへの思いやりでもありますよね。
また、身だしなみに気を遣うことは、自分自身の気持ちを整える効果もあります。きちんとした服装と髪型で仕事に臨むことで、プロフェッショナルとしての自覚と責任感が高まり、より質の高い看護を提供できるようになるでしょう。
新人看護師の方も、ベテランの方も、今一度自分の身だしなみを見直してみてください。
患者さんから信頼され、同僚からも尊敬される看護師を目指して、毎日の身だしなみから始めてみましょう。