新人看護師のインシデントが多いときの対応をリスクマネージャーが直伝

「先輩!インシデント起こしてしまいました…」

後輩がインシデントを起こしたときにどう対応したらいいんだろう?
なんて思ったことはありませんか?

インシデントは現場ではヒヤリ・ハットとも呼ばれていますよね。

新人の頃様々なインシデントやヒヤリハットをして、その度に先輩と振り返りをした経験があります

インシデントが起こってしまう原因は様々ですが、自分のミスで患者さんに影響が出てしまうことは避けたいですよね。

この記事では、リスクマネージャー経験者がインシデントを起こしてしまった新人看護師が陥りやすい傾向や再発防止のコツ、先輩看護師はどんな風に対応するといいのかを紹介していきます。

ぜひ、最後まで読んでいただき、新人看護師がインシデントを起こしたときの頼れる先輩になる参考にしていただけると嬉しいです。

目次

リスクマネージャーが明かすインシデントが起こったときのダメな対応

インシデントを起こしてしまったときに絶対にやってはいけないことが2つあります。

  • 嘘をつくこと
  • ミスを隠すこと

です。

誰でも自分が失敗した時は報告しづらいし、黙っていたいと思いますよね。

しかし、私たちは患者さんの命を預かっている立場の人間ですから、リーダーや主治医にきちんと状況を報告する義務があります。

また報告するときに感情的になり、言い訳ばかりするのもよくないですよね。

例えその時どんなに忙しかったとしても、自分は悪くないという気持ちでいると、なぜこのインシデントが起こってしまったのか原因が見えてきません。

たとえ、先輩がにききづらい状況だったとしてもです。

インシデントが起きてしまったら、まずは落ち着いて事実を正確に報告することが必要です。

インシデントが起こった時にするべき先輩の対応

後輩がインシデントを起こしてしまったら、まずは冷静に何が起こったのか事実を確認しましょう。

その時に、後輩を責めたり、問い詰めることをしてはいけません

先輩が感情的になってしまうと、後輩が嘘をついてしまったり、次から報告しづらくなってしまう可能性があります。

またインシデントを起こしてしまった本人はパニックになっていることが多いです。

  1. 事実を確認
  2. どうするべきかを助言
  3. フォローする
  4. インシデントの振り返り

フォローで終わりではなく、休憩中や勤務が終わった後に、後輩と一緒に今回のインシデントの振り返りができるとベストです。

インシデントの振り返りをするとき問い詰めたりせず、なぜこのインシデントが起きてしまったかを聞き出し、一緒に対策を考えましょう

的外れな発言があったときは、軌道修正してあげることも必要です。

病院や施設によっては、こういった指導はプリセプターや指導係が行うことがあります。

そのときは、「こんなインシデントが起きて、本人はこういった行動を取っていた。こういう様子だった。」という話をプリセプターや指導係に伝えましょう。

なるべく本人の記憶が鮮明な内に振り返りができるといいですよね。

そして、仮にそのインシデントが他のスタッフでも起こしやすいような内容であったり、重大な事故につながりやすいものであれば、病棟全体で振り返り、対策を立てることが大事です。

新人はインシデントを起こしたら「辞めたい」と思ってしまう

新人の頃、最初はマンツーマンで行っていた業務も少しずつ1人で行うようになり、夜勤も独り立ちして徐々に任されることが増えてきますよね。

新人が独り立ちすようになると、インシデントも増えてきます。

私自身もそうだったのですが、新人はインシデントを起こしてしまうと、また同じような失敗をしてしまうかもしれないと思い、仕事をすることが怖くなってしまいます。

またインシデントを起こしたことで先輩に責められたり、怒られたりすると、職場での人間関係にも恐怖を感じてしまいます。

その結果、仕事を辞めたいという気持ちにつながってしまうわけです。

インシデントが起こらないようにするための再発防止の3つのコツ

それではインシデントが起こらないようにするためにはどうしたらいいのかをお伝えしますね。

  • 傾向を知る
  • 行動レベルで対策を立てる
  • 怖いという気持ちをたいせつにする

それぞれ詳しくお伝えしていきますね。

傾向を知る


まずは自分がどんな状況でインシデントを起こしやすいのかを知ることが大切です。
忙しくて焦ったとき?自分の曖昧な知識で判断したとき?どんなときに起こっているのか思い出してみましょう。

もし忙しいときに起こりやすいことがわかっていれば、同じように忙しくなった時「今自分はミスを起こしやすい状況なんだ」と自覚し、間違いや抜けがないか確認することができます。

また、曖昧な知識の中で判断してしまう傾向をわかっていれば、「これは本当にこの判断でいいのか」と一旦立ち止まり先輩に相談することができます。
このように、今までのインシデントを振り返り、どんな状況で起こしやすいか傾向を知ることで、同じインシデントを繰り返さないことにつながってきます。

行動レベルで対策を立てる


対策はなるべく行動レベルで立てられるようにしましょう。

例えば

×「確認をきちんとする」ではなく

〇「食事の提供前には食前薬がある患者さんの確認をするために受け持ち表を見る」

〇「点滴の交換をする時はリストバンドとボトルの名前が合っているか声に出して指差し確認をする」

〇「点滴の抗生剤の終了時間を忘れないようにタイマーをかけて確認できるようにする」

などです。

「この時は毎回こう行動する」というような対策を立てておきましょう。

怖いという気持ちを大切にする

そして何より、新人の頃の「慣れていないことが怖いから確認する」という気持ちを大事にしてほしいです。

インシデントは新人だけではないんですよね。

中堅以上になってくると、業務にも慣れ、ひとつひとつのことに対して注意深く考えなくても自然にできるようになり、経験からある程度先のことを予測できるようになりますよね。

そのため、注意が散漫になったり、思い込みによって確認をサボってしまうことも。

業務に慣れていく中でも、新人の頃慎重に確認していたときの姿勢を忘れずにいたいですね。

新人のインシデントには先輩の対応がカギ!失敗をきっかけに絆を深めよう!

恐らく新人のうちはたくさんインシデントを起こしてしまうと思いますが、一緒に働いている先輩も同じように失敗を繰り返してきています。

ぜひ、インシデントの振り返りをする中で先輩が新人時代どんな風に失敗を乗り越えてきたのかを話してあげましょう。

きっと、先輩のインシデントの改善策や起こしてしまったときの気持ちの切り替え方を教えてもらえることでさらに信頼度が増して報告・連絡・相談をしやすい関係になれるはずです。

まとめ

ここまで新人看護師がインシデントを起こしてしまった時の対応や改善策をお伝えしてきました。

新人看護師がインシデントを起こしてしまったら、きちんと事実を報告し、振り返りをする中で行動レベルでの対策を考えましょう。

次同じような状況になった時に、間違いを繰り返さないようにできるといいですよね。

そして新人がインシデントを起こしてしまったときは、責めたりせずなぜ起こしてしまったのか原因と対策を一緒に考えることが大切です。

病棟全体のインシデントを減らすためには1人のインシデントから。

小さな一歩かもしれませんが、新人看護師のインシデントが1つでも減りますように!

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