
また患者さんに怒られちゃった。
言葉遣いがなってない!っていつも怒られちゃうんだよなぁ。
大丈夫?クッション言葉とか敬語ちゃんと使ってる?

え…?敬語は使えてると思いますけど…。
(クッション言葉って何だっけ?)
看護師は疾患の知識だけではなく、コミュニケーション能力も必要ですよね。
態度だけではなく、言葉遣いも気を付けなければなりません。
クッション言葉とは、きつくなりがちな言葉の印象をやわらげる働きをもちます。
クッション言葉を活用することで相手への配慮や思いやりを示せますし、言いにくいことも言いやすくなります。
今日は、クッション言葉についてご紹介していきますね。
クッション言葉とは?頼む断るが伝えやすくなる言葉

医療の現場では、患者様はもちろん上司や他職種のスタッフとのコミュニケーションにおいて敬語、言葉かけは非常に重要ですよね。
まずは、言葉遣いのなかで重要な敬語とはいったいどのようなものか簡単に説明します。
“敬語は社会人の基本であり、日本の誇るべき美しい文化ですが、完ぺきに使いこなすことは難しいものです。特にビジネスシーンでは年齢やポジションによる関係性によって円滑なコミュニケーションを図るために、TPOにあった適切な敬語の知識は不可欠です。”
(出典;プレシャスマナー https://precious-m.com/)
コミュニケーションにおいて敬語は信頼を得るためにも必要な技術です。
敬語を理解し活用することでコミュニケーションが円滑にできるようになります。
その中で大事な「尊敬語」と「謙譲語」について説明しますね。
尊敬語と謙譲語は間違えやすいので注意が必要です。
この敬語の基本を知った上でクッション言葉を活用してみてください。
では、クッション言葉とはいったいどのような言葉でしょうか?
“クッション言葉とは、人に何かをお願いしたり、お断りするときに本題の前に添えて、印象を和らげる働きがあります。”
(出典;NPO法人日本サービスマナー協会 https://www.japan-service.org/)
要するに「頼む断るが伝えやすくなる言葉」です。
コミュニケーションで大切なのは相手を思いやりながら話すことです。
クッション言葉を言葉の最初につけるだけで、表現が柔らかくなり、相手を尊重していることが伝わります。
目上の方、ご高齢の方に敬意をもった言葉遣い、異業種の人には専門用語を避けるなど気配りをすることで品格を感じることが出来ます。
信頼関係を気付くうえで言葉遣いはとても重要です。
クッション言葉は気遣い言葉です。
クッション言葉を信頼関係を築くツールとして活用しましょう。
医療現場で使えるシーンと具体例

クッション言葉が大事なのはよく分かったので早く具体例を教えてください!
せっかちだなぁ。じゃあ具体例を紹介するね!
医療現場で使えるシーンと具体例はコチラ
➀患者さんに尋ねるとき
②依頼するとき
③断るとき
④改善してほしいとき
どれも良くあるシチュエーションですよね。
それでは、一つずつ紹介していきますね。
1、患者さんに尋ねるとき
・ご迷惑でなければ
・差し支えなければ
・失礼ですが
・おうかがいしたい(教えていただきたい)ことがあるのですが
患者様の情報を得るためには、時には人には話したくないことも聞き取りしなければならないこともあります。
聞きにくい事を伺う際に、一言添えるだけで印象が変わってきますよね。
プライベートに踏み込む際に相手に不快に思われないように心がけましょう。
2、依頼するとき
・お手数おかけしますが
・お忙しいところ申し訳ありませんが
・ご面倒でなければ
・ご都合がよろしければ
・恐れ入りますが
相手に面倒をかけることが分かっているときに活用できます。
患者様だけでなく、上司や他職種のスタッフにお伺いを立てる際にもこのクッション言葉を使えば依頼しやすいですね。
たとえ面倒な事でも、このクッション言葉を一言添えるだけで頼みやすくなりますよ。
3、断るとき
・申し訳ありませんが
・あいにくですが
・ご意向に添えず・(○○さんのご依頼をお断りするのは)心苦しいのですが
・せっかくですが
家族からの要望に対して、どうしても断らなければならない時もありますよね。
断りにくいからと言って、曖昧な言い方はかえって失礼に当たるかもしれません。
クッション言葉を添えると「検討したが協力できない、残念である意志」が伝わりますよ。
4、改善してほしいとき
・説明が十分ではなかったかもしれませんが
・言葉が足りなかったかもしれませんが
・私どもの説明不足だったかもしれませんが
改善してもらいたい時に、相手を敬いながら頼むのはなかなか難しいですよね。
このクッション言葉を使うだけで相手への配慮を示すことができます。
クッション言葉を勉強するのにおすすめな本
色々なクッション言葉を紹介してきましたが、もっと詳しく勉強したい方の為におすすめの本をご紹介していきます。
本で勉強すると、もっとコミュニケーションに深みが出てくるでしょう。
看護で使える言葉がけ
看護で使える言葉がけ
Kindle版(電子書籍)¥1,568 単行本(ソフトカバー)¥1,650
出版社 : つちや書店 改訂版 (2020/5/11)
著者:木澤晃代/濱田安岐子
医療の現場で役立つ基本的な挨拶から、処置やケア時のコミュニケーション、患者様のタイプ別に求められる対応など具体的な言葉がけを紹介しています。
また、やってしまいがちなNGの例や困った時の対応もあり現場で役立つテクニックが満載な一冊です。
実用的なテクニックが知りたい方におすすめです。
看護師のためのマナー・言葉かけ・接し方・ハンドブック
看護師のためのマナー・言葉かけ・接し方・ハンドブック
文庫¥2,730
出版社 : ナツメ社 (2014/2/21)
著者:福井小紀子/吉内一浩/黒木由里子
コミュニケーションの基本と実践がわかる、基礎からしっかり学びたい人におすすめの本です。
クッション言葉の使い方など基礎知識や医療現場でよく使える実践知識をもとに解説しています。
基本的な日常会話から、医療現場で必要な「共感・傾聴」のスキルについてや、悪い知らせを伝えるステップなども取り上げられています。
現場で実際起こり得る場面のコミュニケーション方法を解説しているので、すぐに活用することが出来ますよ。
はじめての医療接遇
はじめての医療接遇
オンデマンド(ペーパーバック)¥2,200 Kindle版¥1,100
出版社 : ごきげんビジネス出版 初版 (2018/9/7)
著者:近藤 和子
忙しい医療従事者のために、医療接遇に絶対に知っておきたいことをポイントを絞って説明し、Q&Aも加えてわかりやすくまとめています。
新人研修やフォローアップ研修でも活用できる医療接遇についての知識が詰まっているこの本。
レビューも高評価でQ&Aでリアルな現場の声を取り上げており「腑に落ちる」という声も多くありました。
難しい医療接遇を優しい言葉に置き換えて分かりやすく説明しているので、新人さんだけでなく管理職の方にも参考になる本になっています。
医療接遇について深く学びたい方におすすめの本です。
4つのクッション言葉で安心できる話し方を手に入れよう

クッション言葉について色々分かりました!
でもいっぱいあって覚えられるか心配です。
じゃぁ、最初はこの4つのクッション言葉だけ覚えて実践してみてね
4つのクッション言葉
➀お手数おかけしますが
②申し訳ございませんが
③恐れ入りますが
④よろしければ
お手数おかけしますが
相手にとって面倒なことを依頼するときに使います。
患者様に受診日の変更をする際には電話をしてもらわないといけない時や、先輩に研修の参加を促す際に使えるクッション言葉です。
例えば「お手数をおかけしますが、変更がある際は事前に電話連絡をしていただけますでしょうか?」といったように使えます。
面倒なことを依頼するのって申し訳ない気持ちになりますよね。
相手を気遣うクッション言葉を活用することで嫌な気持ちせず承諾してくれるでしょう。
申し訳ございませんが
伝えにくい事を伝えたいときに使います。
例えば、患者様のご家族の方に、処置や検査などで外や談話室で待っていて欲しいときに「申し訳ございませんが、今から〇〇の処置を行いますので、談話室でお待ちいただけますか?」というように使います。
また、同僚や上司には「私事ですが、〇日にお休みをいただきます。申し訳ございませんが、その日はよろしくお願いします」といった使い方ができます。
患者様側だけではなくスタッフ側にも伝えにくいことを伝えなければならない場面ってありますよね?
変にごまかさず、クッション言葉を活用して伝えましょう。
恐れ入りますが
相手の気分を害さないようにやめてもらいたいときや、依頼したいときに使います。
例えば、入院時のオリエンテーションの際、患者さまやご家族の方への説明で、「恐れ入りますが、入院中の〇〇はお控えくださいますようお願いします」といったように使うことが出来ます。
上司や他職種のスタッフに「恐れ入りますが、今お時間よろしいでしょうか?」と使うことが出来ます。
相手の負担にならないようにタイミングを計って声をかけるのってなかなか難しいですよね。
クッション言葉を添えるだけで依頼しやすくなるのでぜひ活用してみてください。
よろしければ
相手になにかを提案したりするときに使います。
例えば「よろしければ、お箸をお持ちいたしましょうか?」や、上司や他職種のスタッフには「よろしければ、後ほどご指導いただけないでしょうか?」といった使い方ができます。
間違えやすい言葉として、「よろしかったら」という表現があります。
実は「よろしかったら」は地方の方言としてよく使われており言葉遣いとして間違ってはいるわけではありません。
しかし、基本的に敬語は標準語で表現すべきなので「よろしければ」を使うようにしましょう。
まとめ

クッション言葉とは頼む断るが伝えやすくなる言葉で、きつくなりがちな言葉の印象をやわらげる働きをもちます。
コミュニケーションにおいて言葉遣いは信頼を得るためにも必要な技術です。
円滑なコミュニケーションを図るために、TPOにあった適切な敬語の知識は不可欠となります。
敬語の基本を知った上でクッション言葉を活用してみてください。
医療現場で使えるシーンと具体例は➀患者さんに尋ねるとき②依頼するとき③断るとき④改善してほしいときの4つを紹介しました。
クッション言葉を勉強するのにおすすめな本は、➀看護で使える言葉がけ②看護師のためのマナー・言葉かけ・接し方・ハンドブック③はじめての医療接遇の3つを紹介しました。
安心できる話し方を手に入れるための4つのクッション言葉は➀お手数おかけしますが②申し訳ございませんが③恐れ入りますが④よろしければでした。
いかがでしたでしょうか?
看護師に求められるのは、医療の専門知識だけではありません。
マナーやあたたかみのある対応力、専門職との連携、患者、家族への説明に活かすためのコミュニケーション能力も身につける必要があるでしょう。
言葉遣いは心遣いともいわれています。
患者様やご家族は、ささいな言葉やしぐさ、態度で安心することもあれば、不快に感じたり不安になることもあります。
ぜひクッション言葉を看護の現場で活かしてみてください。