看護師の学歴コンプレックスの悩みを解決!看護学校でも看護大学でも自分らしく生きる方法

将来看護師になりたいけど、看護大学と看護学校はどう違うの?学歴を重視するならやっぱり今の時代は大学の方がいいのかしら?

現在日本で看護師国家試験を受験するためには、3年生の看護学校を卒業するか看護系大学もしくは看護学部を持つ大学を卒業する必要があります。文部科学省によると看護系大学数は平成3年には11校でしたが、平成30年には263校まで増えて定員数も増えました。また国立や公立の大学だけではなく、近年では私大でも看護大学を併設するところが増えています。

では具体的に看護学校卒と看護大学卒の看護師では何が違うのでしょうか?今回は学歴コンプレックスを抱える人や、これから看護師になりたい人が看護学校卒業でも学歴コンプレックスを感じる必要がないことを解説できればと思っています。

この記事のポイント
  • 看護師の学歴コンプレックス
  • 看護師に学歴は必要?大学卒と専門学校卒業での違いは?
  • 看護学校卒業や偏差値が低めの看護大学卒業でも自分らしい生き方を見つける方法 など
目次

看護師の学歴コンプレックス①看護学校卒業なのがコンプレックス

看護学校卒業なのがコンプレックスです。まわりの同期は看護大学を卒業しているし、やっぱり大学の方がよかったのかしら?

学歴コンプレックスの例

看護師国家試験を受験して看護師免許を取得した後に、多くの人が病院への就職を希望すると思います。

そこで同じ病院や部署に配属された同期と、自己紹介や他愛のない話の中で自分はどこの学校の卒業なのかを話すことも出てくると、「看護学校卒業です」と言いづらいという場面があるのではないでしょうか?

特に大学病院やブランド病院と呼ばれる私大系の面接の際には、大学卒業の方が有利なんてことも一部の口コミには書かれています。

ではどのような時に学歴コンプレックスを感じやすいのかを挙げてみます

  • 周りが大学卒業の看護師が多いとき
  • 上司や先輩から大学卒業の人と比較されたときや知識の差があると感じたとき
  • 給与説明欄に看護学校卒業と大学卒業で項目が分かれていた時

看護学校卒業がコンプレックスなときの解決策

正直看護師は学校に通っている3,4年よりも勤務している年数の方が圧倒的に長くなります。

就職時には問われていた”どの学校を卒業したか”の質問は、転職を希望する場合には”どれくらいのキャリアがあるか”、”どれくらい専門知識があるか”という問題へシフトしていき、そもそもどの学校を出たかは問題ではなくなります

ですから専門学校卒業がコンプレックスでも、いずれは関係なくなると気持ちを切り替えましょう。

まじめに仕事をこなしたり、同一病院内で着実なステップアップを目指し、経験を積んだりや自分の強みを活かせるような職場への転職ができるようにする方が、後々周りから重宝され尊敬されます!

看護師の学歴コンプレックス②進学校に落ちて大学看護学部なのがつらい

同期に私が希望していた進学校卒業の子がいたけど、うらやましくてつらい

学校学歴コンプレックスの例:周りのみんなは進学校で有名大学じゃないと仲間に入れない

進学校卒業でも有名大学卒業でも、看護師免許を取得した後患者さんの前に立てば皆同じ看護師です。

肩書は特に必要ありません。ですが、一部の有名私立大学病院では内部生を優遇したり、同系列大学卒業ではないと仲間に入りにくいという風習は残念ながら存在するそうです。

ただ、無理をしてわざわざそのコミュニティーで仲間に入れないといけないのでしょうか?

大切なのは自分自身が何のために就職し、看護師として活動するかだと思います。では解決方法について考えてみましょう。

進学校に落ちて大学看護学部じゃないのがつらいときの解決方法

1.大学に入りなおす

どうしても希望していた有名進学校の大学に入りたいという意思があるのならば浪人して大学に入りなおすのもよいでしょう。もしくは3年間の看護学校を卒業した後に編入という形で1年間だけ大学に通うという方法もあります

ただ、受験の費用や入学金を新たに払いなおさなくてはいけないこと、延長した分の学費も払っていかないといけないことなど金銭的な課題もありますからしっかり考える必要があります。

2.学生時代の仲間とは疎遠になっていくものだから大丈夫

私は大学を卒業して看護師になりましたが正直学生時代の仲間とは疎遠です。

特に今は子育てもしていますから、子供関連のいわゆるママ友が増え、学生時代の友達ではライフスタイルやイベントが違うこともありSNS上の付き合いになってしまっています。

仲のいい友人もコロナの影響もあり、昨年は1度も会うことはありませんでした。

そして学校を卒業した後、自分の出身校について話題になることはほとんどありません

実際に私は1年浪人してから大学に入学しました。当時は同級生がストレートで合格したことをうらやましいと思いましたが、途中で友人は看護師を辞めてしまいましたし、人生何が起こるかわかりませんので有名大学や進学校を卒業したかよりも、その後の看護師人生をどのように過ごすかの方が重要だと感じています。

看護師に学歴は必要?大学卒と専門学校卒業での違いは?

そうはいっても、大学卒業と看護学校卒業で何が違うかは知っておきたいし、どうせならメリットが多い方に進みたいな。

きっと看護師国家試験の受験資格を得るためには大学卒業と専門学校卒業の2通りの方法があるので何が違うのか知りたいですよね。ここからは大学と専門学校卒業で何が変わるのかについて説明していきます。

大卒看護師と専門学校卒業の看護師の国家試験の合格率に差はある?

大卒看護師と専門学校卒業看護師の国家試験の合格率ですが、大卒看護師の方が専門学校卒業の看護師よりも若干ですが合格率が高いと言われています。

厚生労働省の報告によると、全体の看護師国家試験の合格率は90%前後で推移していますが、大学卒業の看護師は95%前後と高い水準が並びます。

学校別合格者状況によると、合格率が100.0%だった大学は44大学。このうち、合格者数が100人を超えた大学は、「防衛医科大学校」115人、「藤田医科大学」130人、「京都看護大学」110人、「兵庫医療大学」105人の4大学。そのほか、東京大学は100.0%、京都大学は93.0%の合格率。合格率が100.0%の短期大学(3年)は、共立女子短期大学と松本短期大学の2大学だった。

出典:https://resemom.jp/article/2020/03/19/55428.html

このように大学では看護師国家試験の合格率が100%となる学校はいくつもありますが、3年生の学校ではわずかに2校とされています。

これは履修期間の差が影響していると考えられています。通常専門学校は3年で実習と並行しながら国家試験の学習もしなければなりませんが、大学の場合は4年かけての実習になるため比較的学習時間が確保しやすいというメリットがあります

大卒看護師と専門学校卒業の看護師の給料の差は?

私が勤務する大学病院では、大卒看護師と専門学校卒業の看護師では初任給で約7500円の差がありました。

昇給の金額については同額ですが、年間で8万円程度差が出ていることになります。

その他に昇級につながる試験があるのですが、その受験資格が大卒看護師の場合は3年目、専門学校卒業看護師は4年目という規定がありました。

求人情報などからも一般的には大卒看護師と専門学校卒業看護師では給料に差が出ている病院は多いようです。

しかしこの大卒看護師と専門学校卒業の看護師の給料の差はほとんどが初任給で、転職などをする場合に考慮されるのは学歴よりも職歴や経験年数が圧倒的です。

大卒看護師と専門学校卒業の看護師の仕事の内容の差は?

看護師免許を取得すれば大卒看護師と専門学校卒業の看護師に仕事の差はなく同じく一病院の看護師スタッフとしての勤務がはじまります。

看護師の仕事の内容に差が出る場合は、看護師と准看護師の場合です。(准看護師は国家資格ではないため、医師や看護師の指示がないと看護業務を行えません)

大卒は優遇されて、専門学校卒業の看護師にはきつい仕事…なんてことはありませんので安心してくださいね!

大卒看護師と専門学校卒業の看護師で待遇の差はある?

大卒看護師と専門学校卒業の看護師の待遇の差はほとんどないと思います。

しかし、認定看護管理者や専門看護師になるためには看護師としての能力だけではなく、大学院での学位取得が要件として設定されています

大学院に進学するためには大学を卒業し学士の学位を持っていることが条件となるため、管理職や専門看護師を将来的に視野に入れている場合は大学卒業の方がスムーズではあります。

もちろん大学の学位は編入後取得することもできますから、看護師として実務経験を積んだり進学費用を貯めてから進学することも可能です。最近では通信制の大学などもありますからハードルはそこまで高くないかと思います

また管理職については、全ての病院が大学卒業が絶対条件としているわけではありません。病院ごとに規定は異なります。自分が勤務する病院の就業規則を確認することをお勧めします。

大卒看護師と専門学校卒業の看護師で転職できる職場は変わる?

今は看護師の職場は病院だけではありません。

保育園や老健施設、検診センターなど様々です。

看護師の転職では、学歴というよりもいかにその施設にとって即戦力になれるかが問われるため、そこまで学歴は問われません。ただ、保有する資格の差で転職先が変わることはあります。

大学卒業の場合多くは保健師国家試験の受験資格も得られるため、大卒看護師は保健師免許も持っています。

そのため看護師としてだけではなく、保健師として保健所や企業などに転職することができます。

専門学校卒業看護師の場合は大学に編入することで保健師国家試験の受験資格を得られるようになりますよ。

他にも大卒看護師で臨床経験年数があれば、看護学校での教員へ就任することもできます。

大学の学位は必要な時に取りに行くでも全然遅くはないんですね!

看護学校卒業や偏差値が低めの看護大学卒業でも自分らしい生き方を見つける方法

私は大学を卒業して看護師になって今年で10年目ですが、一緒に働いている先輩方は看護学校卒業の人が多いです。

ですが、看護学校卒業や卒業した大学の偏差値を気にして働いたことは一度もありません。

それは先輩方が職場で生き生きして働いていて、さらにスペシャリストとして活動されていたからです。

看護師としてのエキスパートになる方法

特定の看護分野における熟練した看護技術及び知識を用いて、あらゆる場で看護を必要とする対象に、水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的としています。認定看護師とは、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として、本会の認定を受けた看護師をいいます。

出典:日本看護協会

この認定看護師の資格認定には看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)認定看護師教育機関での教育を受け審査に合格すれば登録され、認定看護師として活動することができるようになります。

専門看護師と違って看護を学問として解決するのではなく、専門分野で自分自身が深めてきた知識と技術の提供をしたいと考える人には認定看護師は向いています。

実際に私の働く大学病院では認定看護師はその分野で専門性を発揮して、日々患者さんのサポートをしてくれています。

5年ごとに認定の更新はしなくてはいけませんが、一度資格を取れば認定看護師は看護のエキスパートとして活動することができますよ。

起業家として自分らしく生きる方法

看護師のスキルを磨くだけではなく、起業家として自分らしく生きていくこともできます。

看護師免許があれば、訪問看護ステーションを開設することもできます。また保育園などを開設し経営者として活動することもできます。

最近では手軽に個人がネットショップを運営したり、YouTubeなどで看護師の勉強や働き方などの関連の動画を作成し収益を上げている人もいます。

特にInstagramなどのSNSでも多くの看護師が活躍しています。

自分らしく生きるのに、学歴は関係ありません!

看護師の学歴コンプレックスの悩みを解決!看護学校でも看護大学でも自分らしく生きる方法のまとめ

ここまで看護師として勤務が始まれば学歴はほぼ関係ないことをお伝えしてきました。

最初のうちは学歴や自分の出身校について悩むこともあるかもしれませんが、通学しているのはせいぜい3年か4年です。

その後の看護師人生は定年まで働くとすると約40年。経験年数が上がるとともに、どんな学校を出たかではなく、臨床でどれだけの技術や知識を身につけたかに変わっていきます。

大卒や看護学校卒業の肩書を比べたがる人は一定数いるのが現状ですが、看護業界は肩書だけで通用する世界ではありません。そして、勉強しようと思えばいくつになっても学士の学位や認定看護師などの資格を得ることは可能です。

ぜひ、自分を追いつめず看護師のスキルを磨いていきましょう。

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