40代の看護師ブランク20年で復帰は可能?おすすめな職場から受かる履歴書、勉強法、働き方のコツまで紹介

看護師は一生涯働けるスキルとはいえ、長い人生の中では一時的に仕事をリタイヤする人もいます。

しかし、そうした潜在看護師がブランクを経て復帰しようと決意しても、ブランクが長ければ長いほど尻込みしてしまうのではないでしょうか。

ここでは40代看護師でブランク歴20年以上ある!というあなたに、復帰のお手伝いをするべく

  • 40代ブランク20年の看護師におすすめな職場
  • ブランク20年でも面接に受かるための履歴書の書き方
  • 20年のブランクを埋めるための勉強法
  • 就職後の働き方のコツ

をご紹介します。

手探り状態で困惑していても、やるべきことがわかるようになるので安心してくださいね。

目次

40代の看護師でブランク20年でも復職することは可能?

可能です。

私の知人にも、臨床経験2~3年で専業主婦となり、20年以上のブランクを経て40代で再就職後は定年まで勤めた人がいましたので。

そして、その当時の彼女の置かれた環境よりも、現在はもっと潜在看護師が復職しやすい支援や制度が整っているのです

ただし、復職の可能性を高めるためにも、以下の二つの点に注意してください。

自分の状況や希望に合った職場を選ぶ

  • 体力やスキルが不安な人→急性期病院や残業の多い職場は避ける
  • 家事や育児を疎かにしたくない人→パートや時短勤務で働く
  • 今は即戦力にならないが、徐々に実力をつけていきたい人→中途でも研修制度が整った職場を選ぶ
  • 長く働きたい人→福利厚生や職場の雰囲気など自分が納得できる職場で働く

復職前に今の看護をできるだけ身に付けておく

後述するいろいろな勉強方法があるので、参考にしてくださいね。

ブランク20年の看護師が復帰するのにおすすめな職場

「自分の状況や希望に合った職場を選ぶ」とは言っても

  • 年齢制限があるのでは?
  • 病院がいいのか施設がいいのか?

と疑問はつきませんよね。

ブランク歴20年の40代看護師が、復帰するのにおすすめな職場は以下の5つです。

診療所(クリニックなど)

外来のみの診療所なら、患者の急変といった事態がほぼ無いのでプレッシャーも少なくてすみます。

業務も決まった作業を繰り返すので、始めは慣れなくても、覚えてくると体も動きやすいです。

注意する必要があるのは、診療所はあたりはずれが結構あるということです。

”あたり”の診療所は居心地良いのですが。

”はずれ”となると…

  • 人数が少なくて忙しすぎたり
  • サービス残業が当たり前だったり
  • 古参スタッフや院長のパワハラがあったり

なんてこともあってやる気も失せるかもしれません。

”あたり””はずれ”を見分ける方法の一つに、給料が良すぎないかチェックするのがいいですね。

なすこ

診療所は病院よりも給料は下回ることが多いのですが、それが高給与というのは離職率が高いから、と考えられます。

デイサービスや高齢者施設

利用者の健康管理が主体で、高度な看護技術を必要としません。

体力を使う場面は、介護スタッフがいるので体力面での不安も払拭できます。

しかし、常駐の看護師は少ないので何らかの判断を任せられてしまうことはあります。

いざというときのための、初歩的な救命方法は自己学習しておきましょう

施設の管理者や利用者の主治医、ケアマネージャーとも連絡を密にしておけば安心です。

保育園

  • 小児医療の経験がある
  • 子どもが好き

こういう人は保育園も選択肢の一つです。

入園児の健康管理を行うのですが、残業もなく、ゆったりと働けます

慢性期病棟

日々の業務が変化なく、同じ作業の繰り返しが多いです。

難しい技術もさほどありません。

若い人には刺激がないかもしれませんが、ブランクが長い人にはうってつけです。

初歩的な看護技術は必要なので、慣れないうちは苦労しますが、いったん覚えるとやりがいを感じる職場でもあります。

なすこ

急性期病棟のように忙しくなく、疑問点もすぐに先輩看護師に確認できるので、一歩一歩着実に成長できますよ。

健診センター

内容は

  • 採血
  • 視力検査
  • 聴力検査
  • 体重
  • 身長測定
  • 心電図

などです。

単純作業ということと、時間通りに仕事を終えられるのはメリットです。

ブランクの長い人には「採血が不安」だと思う人もいるかもしれません。

でも、数をこなすうちに慣れるし、勘を取り戻せるものです。

看護師ブランクが20年あるときの履歴書のコツ

ブランクが長いときの履歴書のコツを2つご紹介します。

経歴はできるだけ具体的に書く

以前の職場経験を曖昧にせず、どんな科でどんな経験をしたのか具体的に書くべきです。

それによって、採用側にあなたに対して今後どう指導していけばよいかが明確になります。

志望動機をしっかり書く

  • 仕事復帰したいと思った動機と
  • どうしてその病院(または施設)を志望するかの理由

も、しっかり書いておきましょう。

そこで「どんな看護をしてみたいか」という目標もあると熱意が伝わります

ブランク期間に培った経験で、復帰に役立てそうなことがあれば、志望動機に上手に付け加えてください。

なすこ

ブランクを乗り越えるために、自分がどんな内容の勉強をしているか・してきたかも書けるといいですね。

看護師ブランクが20年あるときにおすすめな勉強法

20年前と今とで看護はどう違うでしょうか。

考えられないほど、仕事の内容が変化しています。

少し思いついたものを挙げてみましたので、おすすめの勉強法でしっかり頭に入れておいてくださいね。

個人情報保護法が制定

患者個人の情報を外に漏らす行為は違法です。

例えば

  • 患者の名前を記入したメモ書きが外部に漏れる(家に帰って復習のために、患者情報のメモを持ち帰ったら紛失した)
  • SNSなどで患者が特定できる内容をアップする(同僚の看護師同士での患者の愚痴など)
  • 近所のカフェで友人との会話中に患者情報を話す

よくよく考えればアウトな行為だとわかりますが、意外に気が緩むとやりがちなことかもしれません。

就職の際に、個人情報保護法を守るという誓約書にサインを求められることも多いので、覚えておいてくださいね。

救命法が変わった

  • 2000年から心臓マッサージと人工呼吸の比率は5:1から15:2に
  • 2004年からは日本でも市民によるAEDが可能に
  • 2005年から心臓マッサージと人工呼吸の比率は30:2

5:1のリズムで体が覚えている人にとって、いきなり30:2で救命処置は難しいもの。

シミュレーションしておくことをおすすめします。

電子カルテの普及

紙カルテと混在しているところもありますが、もはやほとんどの場所ではパソコン必須です。

身体拘束は廃止か最低限

病院でも極力、身体拘束しないという方針が進んでいます。

施設なら、ほぼ廃止でしょう。

看護師も「なるべくなら拘束しないですむようにしよう」という考えになってきています。

その他

他にも

  • 患者・家族への説明書類が増えた
  • 看護記録の方法が変わった
  • 創傷処置での消毒は必ずしも必要ではない

などもあります。

復職サポートのセミナーを受講する

再就職で困らないための勉強法をピックアップしました。

復職希望看護師に看護協会や大学病院、民間病院、他にも様々な団体が復職支援セミナーを開いているので受講ができますよ。

採血・注射や救命処置が人体模型で練習できるし、最新の医療機器の取り扱いも教えてもらえます。

料金も安かったり、中には無料もあります。

セミナー受講で、かなり不安な気持ちが和らぐでしょう。

復職支援の通信制講座を受ける

自宅で自分のペースで受講できる通信制講座もおすすめです。

実技はありませんが、分からない部分も繰り返し勉強できますよ。

特に日本看護協会主催のオンデマンド研修は、視聴後のテストで理解度を確認しながら勉強できます。

ナースセンターの「とどけるん」で学ぶ

2015年から離職している看護師は、各都道府県ナースセンターへの届出が努力義務となりました

「とどけるん」というサイトから登録、届出ができます。

こちらでも、復職に向けてさまざまな研修があります。

なすこ

就職相談も乗ってもらえるので、是非、利用してみてください。

自分で勉強する

写真が豊富な、最新の看護技術の本を一冊買っておくと重宝します。

一冊だけなら、さほど苦にならずに読み進めますから。

今は勉強材料としてのアプリや動画も豊富で、選ぶのには便利ですが。

「タメになるなあ」と感じるものがある一方、「これ、ホント?」と疑わしいものもあり、判別が難しいですよね。

なすこ

アプリや動画は運営者情報を見て、信頼できるものかを確認したほうが良さそうです。

復職後は自己学習ノートを作って、帰宅後に勉強する方法もあります。

自己学習ノートを作ったほうが良いのは

  • 覚えたことが整理できる
  • わからなかったことが明確になる

仕事に復帰したばかりのときは、体にも気持ちにも余裕がありません。

仕事中のメモは、断片的な内容になりがちです。

家に帰って思い出しながらノートで整理すると、仕事に慣れるのが早くなりますよ。

看護師ブランク20年から復職するときに注意すること

復職するときに注意すること、心に留めておくといいことをお話します。

家族の協力、理解があるか

慣れない仕事をこなしながら、これまで通りの家事を全うするのは無理があります。

ストレスが溜まり、仕事にも影響を及ぼしかねませんよね。

仕事復帰には家族の理解が必要です。

できるなら、家事の分担もしてもらえると安心ですね。

復職先には嘘は言わない

自分の能力や経験を率直に伝えてください。

できること・できないことをはっきりと伝えないと、現場で自分の能力以上の仕事を任されてしまうことがあります。

新人とは違い、ブランク歴20年と聞いても具体的にどの程度の能力なのかイメージしにくいからです。

家族の事情も伝えたほうがいい場合があります。

介護が必要な家族や、持病のある家族がいるときは、最初から話して理解を得ておきましょう。

今の看護技術に口出ししない

こんなやり方でいいの?

私が習ったのと全然違う!

現場に出ると愕然となるかもしれません。

でも、心に秘めておくだけ、口出しはしないでくださいね。

もはや常識は変わったのですから。

あなたは、これから新しい常識を身に付ける立場です。

学ぶ姿勢を大切にして年齢が上だからと偉そうにしない

年齢が下の看護師が多く、職場に溶け込むのも難しい。

そんな悩みも出てくるでしょう。

初めは常に敬語で接する意識を持ち、タメ口を使わないことです。

そして、わからないことは積極的に質問し、学ぶ姿勢を見せていると、職場に溶け込むのが早くなりますよ。

40代の看護師ブランク20年で復帰は可能?おすすめな職場から受かる履歴書、勉強法、働き方のコツまで紹介のまとめ

  • 40代看護師ブランク20年以上でも復職は可能
  • 復職するのにおすすめな職場は以下の5つで自分の状況や希望に合った職場を選ぶ
  1. 診療所
  2. デイサービスや高齢者施設
  3. 保育園
  4. 慢性期病棟
  5. 健診センター
  • ブランクが長いときの履歴書のコツは経歴や志望動機をしっかり書く
  • 復職支援セミナー・通信講座・アプリなどを利用して最新の看護を勉強する
  • 復職後も自己学習を続ける
  • 家族や職場の理解を得られるようにする
  • 復職後は今の看護に口出しせず、学ぶ姿勢を大切にしていく

ブランクや年齢で復職をあきらめなくても大丈夫。

準備が整ったら、あとは前進するのみです。

是非、頑張ってください。

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