筋肉注射が痛くない方法(打ち方)のコツと痛い人と痛くない人がいる理由

新型コロナワクチン接種が進んでいます。

看護師の中には

筋肉注射の経験が少ない

筋肉注射後の痛みを患者さんから言われるのがイヤ

という理由から、戸惑いや不安を感じている人がいるでしょう。

患者さんに

筋肉注射痛くなくして

って言われても、筋肉注射って痛いものですよね…。

どうにか痛くなくするコツはあるのか?と悩んでいる看護師の方に、そのコツをお教えします。

  • 「痛くなくして」って言われたときの上手い言い方
  • 痛く感じる人とそうでない人の違い

も、併せて紹介するので参考になさってください。

これであなたも自信をもって筋肉注射ができるようになりますよ。

目次

筋肉注射は痛い?痛い理由は痛点にあたるから…新型コロナワクチンで1日300人に打っても痛がられる!

打つ側と打たれた側の両方の経験から「筋肉注射はどんな種類でも痛い」と思っていました。

でも、新型コロナワクチンは痛くなかったのです。

患者さんへのワクチン接種のときも、痛みを訴える人は、あまり多くありませんでした。

それでも新型コロナワクチン接種で、痛みを訴える人がいるのは確かです。

筋肉注射が痛いのにはどんな理由があるでしょうか。

筋肉注射が痛い理由①針を刺したときに痛い

筋肉注射が痛いのは、皮膚にある痛点を刺激するからです。

針を刺すときのチクッとした痛みですね。

痛点の数は、1平方㎝につき100から200個ほどといわれ、部位によっても変わってきます。

痛みを感じさせないためには、痛点をできるだけ避けることですが、目で確認できないので難しいところでしょう。

なすこ

個人的には、筋肉注射の場合、看護師の上手い・下手はあまり関係ないと思っています。

筋肉注射が痛い理由②薬液注入で痛い

針を刺した時の痛みは、筋肉も皮下も同じですよね。

筋肉注射でより痛みを感じるのは、薬液注入のときでしょう。

筋肉は皮下よりも組織が密なので「薬液が組織を通過するときに圧痛が生じるから」といわれます。

筋肉注射が痛い理由③痛いと思っているから痛みを感じやすい

痛いという先入観があると、痛みを感じやすい…注射時に、痛い人と痛くない人がいる理由の一つです。

以前に受けた筋肉注射が痛かった

などの記憶があれば痛みを感じやすいものです。

あるいは、注射することへの恐怖心なども痛みを引き起こすことでしょう。

心理的な要因をバカにはできません。

筋肉注射が痛い理由④薬液が浸透する痛み

患者さんから「注入後の薬液が浸透するのが痛かった」と聞いた経験はないですか?

これは、薬液が浸透する痛みです。

薬液の濃度と血液濃度の差が大きかったり、薬液のPHと血液PHに差があると、痛みが出やすくなります。

筋肉注射が痛くなくなるコツ

ここからは筋肉注射が痛くなくなるコツについてお伝えしましょう。

一般的な筋肉注射と、新型コロナワクチンの筋肉注射とで区別するポイントもあります。

筋肉注射が痛くなくなるコツ①注射針

注射針は細いほうが痛くないです。

針が太いと、それだけ痛点にあたる確率も高くなるからです。

針を刺すときは、ためらわずに一気に刺す

これも痛点を刺激しないために、必要なコツですね。 

薬液の油分が高く、太めの針でないと注入できないときがあるかもしれません。

しかし、そうでなければ細めの針をおすすめします。

新型コロナワクチンでは25G針を使います。

筋肉注射が痛くなくなるコツ②薬液の温度

痛みを和らげるには、薬液の温度を体温程度にしてください。

冷蔵庫保存の薬液は、注射する時間を考えて室温に戻しておきましょう。

筋肉注射が痛くなくなるコツ③薬を入れる速さ

従来の筋肉注射では、薬液注入はゆっくりのほうが良いと教わってきました。

新型コロナワクチンは、素早く打ったほうが良いとされます。

時間が経過するほど、固定したつもりでも針は動きやすいので、痛みを感じるからです。

筋肉注射が痛くなくなるコツ④痛みを感じにくい場所

筋肉注射の部位は主に三角筋と中殿筋ですが、中殿筋のほうが痛みが少ないようです。

ただし、新型コロナワクチンは三角筋一択なので注意してください。

筋肉注射が痛くなくなるコツ⑤注射するところを冷やしておく

注射する直前に保冷剤などで注射部位を冷やすと、針を刺すときの痛みが和らぎます。

あるいは、指や爪で注射部位を圧迫する方法もおすすめですよ。

他の痛み刺激で、注射針の感覚を鈍らせるのです。

筋肉注射で「痛くなくして」と言われたときにおすすめな上手い返し方 

時々、患者さんからこう言われますよね。

とっさに言われると、返答に困ってしまうことも。

こんなときに上手い返し方があります。

がんばります!と明るく返答する

人と会話するときに、相手から明るい表情や笑顔で返されると、自分も自然と笑顔になりませんか?  

看護師と会話していて、その看護師が明るい雰囲気だと、患者さんも引き込まれて笑顔になりやすいですよ。 

なすこ

その結果、患者さんもリラックスできて痛みが軽くなります。

人によって感じ方が違うんですよと説明する

笑顔だけでは納得しない人もいます。

「痛みの感じ方には個人差がある」と説明するのもアリでしょう。

痛点といって痛みを感じる部分にあたると痛みを感じて…と理論的に話す

「痛点というものがあり、痛みを感じて···」と論理的に話して、納得する場合があります

  • うやむやを嫌う人
  • 看護師の技術のみで痛みが左右されると思っている人

そういう患者さんに、試してみてください。

話ながら緊張をほぐしつつ筋肉注射を済ませる

少し高等技術になりますが、話の流れに乗って注射を済ませてしまいます

あら、話してたらいつの間にか終わっていたのね

と患者さんからも感謝されますよ。

筋肉注射は痛い⁉痛くなくするためのコツと対応の裏ワザのまとめ

筋肉注射時に痛くなくするためのコツをまとめました。

  • 筋肉注射では痛点を刺激するので針を刺すときから痛む
  • 痛点をできるだけ回避するには細い針を使ったほうが良い
  • 寒冷刺激も用いて痛みを和らげる
  • 痛みには個人差がある
  • 痛みには心理的な要因も大きくリラックスは有効

新型コロナワクチンの出現で、看護師が筋肉注射をする機会が増えました。

今まで看護師は「筋肉注射が痛くて当たり前」と、認識していたかもしれません。

そう認識していると、患者さんの痛みには無頓着だったのではないでしょうか。

痛みを軽減する方法がある、ということを頭の片隅に置いておきたいですね。

あなたも患者さんも不安なく筋肉注射が打てますように。

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