看護師が大学院に進学するメリットは?働きながらでも大丈夫?

現在2人の子育てをしています。

2020年はコロナによって自分を取り巻く環境の変化に悩みましたが、同時に自分の10年を振り返り、これからの看護師としてのキャリアについて考えるきっかけとなりました。

今回は現在勤務している看護師が大学院に進学するメリットや働きながらでも進学ができるのか、私の経験を通してお伝えできればと思います。

目次

看護師が大学院に進学するメリット

 現在大学病院で看護師として勤務していますが、大学院に進学するメリットとしては大きく分けて3つあります。

1つ目は何と言っても自分のキャリア形成につながるということです。現在看護学科のある大学は250校を超えており、4年かけて看護師国家試験の受験資格を得るという人も増えています。

大学院に進学することは大学よりも時間をかけて自分の専門性を高めることになりますから、大きなキャリアになります。

大学病院のような組織の中では大学院を卒業することで、将来管理職などのコースへ進む道も開けます。また給与も将来的に上げることにつながります。

 2つ目は自分の専門性を磨くことができるということです。

代表的なものに“専門看護師”資格があります。

専門看護師(CNS)とは患者家族に起きている問題を総合的にとらえて判断する力と広い視野を持って、専門看護分野の専門性を発揮しながら「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」の6つの役割を果たし、施設全体や地域の看護の質の向上に努める看護師で、日本看護協会が推進しています。

この専門看護師の資格を取得するためには、看護師として5年以上の実戦経験と看護系の大学院で博士課程を修了して必要な単位を取得することが条件とされています。

 3つ目は自己研鑽とモチベーション維持につながるということです。

看護師になってから新人時代は慌ただしく過ぎていき、中堅層になると後輩指導も始まり、なんとなく毎日を過ごしているだけという人も多いのではないでしょうか?

ある程度臨床を行ってきて自分の看護を提供し続けていると、このままでいいのか?まだ何かできることはあるのではないか?と考えることがあります。

大学院は看護を学問としてとらえ、不確かさを確実のあるものに変える研究を中心に進めていき、整理していくことができます。

ある程度経験を積んだら一度整理をする時間を持てることは、今後の看護師生活のモチベーションの維持にもつながると言えます。

看護師が大学院に進学して取得できる資格

大学院に進学すると修士課程、博士課程に進むことができます。

修士課程とは前期博士過程、博士課程は後期博士課程とも呼ばれ、大学院に2年間通うと修士の学位が、さらに2年程度通うと博士の学位を得ることができます。

先ほど紹介したCNSは修士の学位があれば看護師として通算5年、そのうち3年間以上は専門看護分野の実務研修があれば、日本看護協会に専門看護師認定の申請をすることができます。

また、資格ではありませんが修士の学位があれば大学組織などでは助教として勤務することができます。

現役看護師としてのキャリアだけではなく、指導者・研究者としての道も開けることになるのです。

看護師が大学院に進学するのは働きながらでも可能?

 結論から言うと、看護師が働きながら進学するのは可能です。

むしろ働きながらの進学を推奨している病院も少なくありません。

大学院の授業は座学もありますが、自分の所属する教室で教授から講義を受けたり、レポート作成などもあるため自分でスケジュールを組むことも可能です。

また近年は働きながら進学する社会人コースが充実しているところもあり、昼夜開講制を取って研究指導を受けることも可能としている大学院もあります。

もしくはフルタイムではなく時短や一度休職や退職し、スポットや派遣看護師などを休みの日に行っている人も多いです。

ただしどちらも自分の生活スタイルに合わせて無理なく学業と仕事が両立できるように調整が必要ですので、勤務先にはあらかじめ進学の意を相談し協力してほしい旨を伝えておいたり、所属する教室の教授にも調整をしてもらうなど、周囲の協力は不可欠です。

看護師が大学院を選ぶときのポイント

 大学院に進学する場合、まずは自分が専攻したい看護学の研究テーマと指導可能な教員がいるかが

分野をお重要になります。大学院の進学を意識したら、自分はどんなことを研究したいのか、何を学びたいのかを予め絞っておきます。

 例えば専門看護師になりたいと思った時、専門看護師にも分野があります。

集中治療をずっとやっていた人なら“クリティカルケア看護”を、小児科病棟が長い人なら“小児看護”など選択し、次にそれぞれの大学院で自分の専攻する分野の教授がいるか、どのようなテーマを扱っているかをインターネットサイトなどで検索します。

多くの大学院では、一覧として載せてありますし、文献検索でテーマを入力し論文発表されている先生を逆引きしてみるのもよいかもしれません。

大学進学と大きく違うのは、受験要綱をもらったりした後に、直接指導教員にアポをとり自分の研究したいテーマを指導していただけるかの確認が必要となります。

教授に承諾してもらえて初めて受験することができるのです。

中には自分が研究したいと思ったテーマの指導はしていないと断られることもありますから、事前に数人候補を探しておくことは重要です。

看護師が大学院に進学するときに専門学校卒でも大丈夫?

 大学院に進学する場合、受験資格があるかどうかということが問われます。

一般的に大学を卒業して学士の学位を取得した人であれば、進学はスムーズですが、専門学校卒業の場合は学士の学位がありません。

そのため、一部の大学院では個別の入学資格審査を受け大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた場合に受験することができます。

しかし、それぞれの大学によってその資格審査は異なっており、一般的には論文などを学会誌などで発表している点などが評価されるようです。

よって、専門学校卒業後に一度大学に編入し1年就学し学位を取ってから進学するという人も多いので専門学校卒業の場合には学位の取得を先にする方が望ましいのではないでしょうか。

看護師が大学院に進学する費用はどれくらい?

 こちらに関しても気になるところですよね。ご存じのとおり、大学には国立系と私立系などに分かれています。私立系は一般的には国立系に比較すると学費の相場は高くなると思われます。

 まずは願書取得に数千円、出願時に3万円程度、その他交通費や郵送料などもかかります。

また入学後ですが私が進学する大学院の場合は、入学金が30万円程度、前期・後期の授業料は年間で70万円ほどですが、別途交通費や教科書代などもかかってきます。

私立系の大学院の場合は年間100万円を超える場合もありますし授業料は一括で納付しなくてはいけません。

しかし、大学院も入学に際して奨学金を借りることもできますし、所属する病院施設によっては就学支援金を出してくれるところもありますから、無理なく払える金額を用意し手置くことができない場合にはそちらを検討してみるのもよいかと思います。

看護師が大学院に進学するときの試験内容や勉強方法は?

 大学院の試験には外国語、専門科目、小論文、面接といった項目を選抜試験としている学校が多いと思われます。

外国語については、現在は多くの大学院で辞書の持ち込みが可能とされていますし、一部の学校ではTOEICなど外部の試験のスコアにより免除されることもあります。

専門科目は知識を問うものだけではなく、これまでの看護師としてのキャリアを通して自分の意見を書くものが多い印象があります。

小論文も昨今の医療に関する知識を収集しておけば対策はできるかと思います。

 面接については、事前に指導教員との調整内容をもとに具体的に大学院で専攻したい学問に対する意欲を問われることが多いかと思います。

 大学院試験は、人気の大学ではもちろん定員より多くの人数が集まれば不合格となることもあるかと思いますが、自分が大学院で学ぶ意義についてプレゼンテーションすることができれば問題ないかと思います。

また大学院によっては過去問題を公開しているところもありますので、リサーチして事前に学習計画を立てておくことをお勧めします。

看護師が大学院に進学するメリットは?働きながらでも大丈夫?:まとめ

 実際に大学院に進学するのはこれからなので、私も働きながら大学院に通うことにドキドキしています。

そして大学院に進学したからと言って、自分のスキルが格段に上がるわけではなく学習し続けることが大切だと思っています。

合格してからではなく単位を取得し、学位を取るまでは終わりません。

 しかし、自分の環境を変えたいと思っている人にとっては大きなチャンスになることは間違いないと思います。

私の経験を通して、大学院進学に興味を持っていただければ幸いです。

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