看護師の賠償保険は派遣やパートでも加入が必要?入らなかった時のデメリットとおすすめ保険まで紹介

最近“賠償保険”ってよく聞くようになったけど、私はパート看護師だし 必要なのかしら?看護師の保険で検索しても難しくてよくわからないし…

この記事のポイント
  • 看護師の賠償責任保険とは?
  • 看護師の賠償責任保険に加入しておく理由は?
  • 賠償保険で補償金が支払われる事例と対象外の事例
  • 看護師賠償責任保険おススメ3商品
なすこ

こちらでは看護師の賠償保険は派遣やパートでも必要なのか?入らなかったときのデメリットとおすすめ保険まで紹介していきます。

目次

看護師の責任賠償保険とは?

みなさんは看護師の責任賠償保険がいったいどういうものか知っていますか?
そもそも賠償責任保険ってあまり耳なじみのない言葉ですよね。

賠償責任保険とは、

事業活動に関わる事故等で他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合には、事業者は損害賠償責任を負います。

出典:法人保険の窓口 https://www.hokennomadoguchi.com/houjin/column/baishousekininhoken_detail.html

というものです。

私たちは看護師として、日々患者さんの療養上のお世話に携わっています。どんなに気を付けていても、自分がお世話する患者さんに故意ではないのに怪我を負わせてしまったり、誤った処置をしてしまったりという可能性は0ではありません。

現在の高度化・複雑化する医療において、看護業務を遂行する上で発生するリスクの増大、また看護職が独自の業務を行う場が拡大したことに伴う新たなリスクの発生などにより、看護職が法的責任を問われる事例が増加しています。これは、看護がより自律した専門職として認識されるようになったことに伴い、看護職自身が判断、実施した行為と結果について、責任を負うことが求められるようになったことでもあります。

このような背景を受け、「日本看護協会 看護職賠償責任保険制度」(以下「本保険制度」とします)は創設されました。

出典:日本看護協会 看護職賠償責任保険 https://li.nurse.or.jp/about/index.php

日本看護協会でも、医療が高度化・複雑化することで看護もより専門職として認識され、医療事故などのリスクが高まり、看護師としても責任を負うことが求められていることが言及されています。

でも、責任をとれって言われてもそんな大金払えないし…
ミスをしないなんて保証もないし…

看護師の賠償責任保険とは、あらかじめ保険料を払っておくことで、万が一賠償責任を求められた時にその支払いをあなたに代わって支払ってくれるという保険のことなのです。

看護師の賠償責任保険には加入しておくべき!その理由

先ほども書きましたが、私たち看護師の仕事には常にリスクが付きまとっています。

専門性が高くなり、一つ判断を間違えると大きな医療事故につながることも少なくありません。

もちろんミスしないのが一番ですが、そんな保証もないですよね。

要するに賠償金が払えればいいんでしょ?そんなに難しい仕事もないし、
自分の貯金で払えるんだったら加入する必要ないんじゃ…

看護師の賠償責任保険は単なる賠償金の負担をしてくれるだけではないんです。

では、賠償責任保険に含まれるそれぞれの内容を見ていきましょう。 

賠償金の補償

主に賠償金が発生した時に限度額は加入する保険によって異なりますが、全額もしくは費用の一部を代わりに支払ってくれる制度になります。対人事故だけではなく、対物事故や預かり物の紛失や盗難などの補償にも対応してもらえます

対人事故は患者さんに対して自分の行った医療行為で賠償責任が生じた時になります。Aさんに投与すべき薬をBさんに投与してしまった時、Bさんに対して異常がないか検査をしようとした場合を考えてみましょう。

本来Bさんにはその検査は必要がありませんが、検査を受けたために費用は発生してしまいます。その費用や、何か影響が出た場合の治療費などを負担してもらえます。保険によっては、お見舞い(お詫びの品)の費用も負担してくれるものもあるんですよ。

対物事故では、自分の不注意でPHSが水没してしまった場合や医療機器を破損してしまった場合などに、修理代金や新品を購入する代金を補償してもらえます。最近では院内でPHSやスマホを持つ病院も増えていますし、患者さんにもタブレット端末をもって入院してくる人も多いので、ちょっとした事故で落下し破損したなんてことも珍しくはありません。

患者さんの荷物の紛失は私も何度か遭遇したことがあります。

歯ブラシなど数百円で済むものなら金額も小さいので自分で弁償するという方法も取ることは可能です。

しかし、高齢の患者さんでは補聴器を使用していたり、ブリッジと呼ばれる義歯を装着していることもあり、それらは小さな割に高額です。しかも、個人に合わせて作られているものは、その調整費用も万単位の支払いになります。

故意ではなくても、ケアの最中に誤って廃棄してしまったり、紛失してしまうことも0ではありません。ですが、対物補償がついていればその費用を補償してもらえます。

もちろん患者さん相手だけではなく、自分も対象です。
もし業務中に偶発的な事故により死亡したり、障がいを負うことになった場合や感染症にかかった場合には保険金が支払われることもありますよ!

事故のときに相談

年々医療関係者を相手にした医療関係訴訟事件の件数は増えています。つまり、私たちが訴えられるリスクも上昇していることになります。

事故が起きた際、弁護士に相談する必要が出たとします。その場合の弁護士費用は、個人で支払う必要がありますが、加入する保険によっては法律上の損害賠償金だけではなく弁護士費用や訴訟費用も補償してくれます。もちろん、訴訟に限らず仲裁や調停、和解などに要した費用も負担してくれるので、費用を気にせず弁護士さんに相談することができるでしょう。

賠償責任に関するサポートが受けられる

いざ賠償責任が発生しても、自分ではどうしたらいいかわからないという場合にも、ほとんどの保険会社では安心して業務に専念できるようにサポート体制が備わっています。最近では“モンスターペイシェント”と呼ばれる不当な要求や言動で業務を妨害する患者や家族も多くなっています。悪質な場合は金銭の要求などをしてくるケースもありますが、そのような場合は、その請求が妥当かどうか調査してくれるというサポートも完備されているので安心です。

さらに、近年では自分が被害者となるリスクも増えています。院内暴力だけではなくパワーハラスメント、セクシャルハラスメントといったハラスメントなどです。
相談に乗ってくれたり、必要な場合はどのように対応すればいいのか助言をしてくれるサポートもあり、より働く看護師のニーズにあったサポートが受けられるようになってきています。

悪質なモンペに絡まれた場合にもサポートしてくれるなんて心強いし、
ハラスメントの相談にも乗ってもらえるなんて安心ですね

看護師の賠償保険が必要なケース

看護師の賠償保険が必要なケースを実際の保険会社のHPを参考に、いくつか挙げてみます。

  • 誤った薬剤を投与してしまい患者に障害を負わせてしまった場合
  • 患者の私物を破損してしまった場合
  • 管理している機材を紛失、破損してしまった場合
  • 患者との会話において名誉を傷つけられたと訴えられた場合

保険制度による補償はあくまでも看護師個人の賠償責任を補償するものです。使用者責任がある場合や、相手方にも 過失がある場合などは、相手方の損害額全額を補償することはできません。

看護師の賠償保険で保証金が支払われる事例と対象外の事例

各保険の紹介ページには賠償保険で補償金が支払われる事例についても記載されています。

事例

賠償入院中の患者さんの採血時に床頭台に身体が触れて動いてしまい、床頭台の上に置いてあった患者さんのタブレットPCが落下して画面が割れてしまった。

事故発生日:2019年10月

購入時期 2015年8月(使用年数4年2カ月のため40%減価償却)

修理費用:36,000円 購入時価格 51,620円 ×(100%-40%)= 30,972円

※購入時価格を減価償却した金額がお支払いの限度額となります。

損害賠償金(修理費用)30,972円

出典:Wilnext https://www.medic-office.co.jp/willnext/nurses/

私が勤務していた病棟でも、患者さんの義歯の一部や補聴器が紛失したということがありました。義歯や補聴器は個人に合わせて作る場合は、高額になりますが、保険に加入していたので、受け持ちスタッフは弁償することができました!ちなみに金額は70万円です!!





ただし、以下の場合には保険が適用外となる可能性がありますので注意が必要です。

  • 発生した事故やミスが故意によるものであった場合
  • 被害者が保険加入者の同居親族である場合
  • 患者さん以外の人の所有物に対する対物賠償
  • 保助看法に違反する医療行為で発生した事故
  • 事故に起因する医療行為の目的が美容のみである場合の賠償責任   

看護師としての賠償責任が発生するのは患者さん相手の場合です。また、医師の範疇の処置を看護師が行いそれが原因で事故が起きても、そもそも法律違反ですから当然保険で補償はしてもらえません

看護師の賠償保険は派遣やパートでも加入が必要?

看護師の賠償保険は保険である以上は、個人のニーズに合わせて加入することができます。

必要性を感じないから加入しないという人もいますが、個人的には派遣やパートでも加入することをお勧めします。

常勤看護師の場合は病院や施設で賠償保険に加入が必須とされているところも多いようですが、派遣やパート看護師はあいまいになっていることも多いようです。保険料は年間数千円程度で、1か月あたりにすると数百円というところがほとんどで、費用対効果はとても高いものになっているといえます。

例えば先ほどの補聴器の話ですが、簡易的な補聴器であれば数千円程度から販売されています。しかし、高性能なものは30万円を優に超えるほどです。オーダーメードで作られたものは100万円弱することもありますから、安心のためのお守りと思えば安いと感じられるのではないでしょうか。

さらに現在は少子高齢とともに医療機器も目覚ましい発展を遂げています。患者さんの私物だけでなく補助具なども高額なものが増えていますから、患者さんと接する機会が多い看護師はパートや派遣でも個人で加入しておけば、万が一の時には高額な賠償責任を個人で負わずにすみます。

もちろん事故は起こさないに越したことはありません。
ただ、いつも事故を起こしたらどうしようと考えて仕事をするよりも、もしもの時には手厚い保障があるから大丈夫!と思える方が、安心して業務に取り組めますよね

看護師賠償責任保険に入るならどこがいい?おすすめ3商品

看護師賠償責任保険はたくさんの会社が取り扱っています。でも、どこがいいのかわからない!という人のために、
今回下の3つの会社を、それぞれどんな人に向いているか、メリットとともにご紹介します。
  1. 日本看護協会の保険
  2. Willnest
  3. メディカル保険サービス

1.日本看護協会の保険

  • 日本看護協会がつくった人気の高い保険
  • 対人賠償、対物賠償だけではなく法律相談費用も対応
  • 2650円の保険料で加入することが可能
  • 日本看護協会と都道府県の看護協会に入会している人はお得!
  • 加入者数が多く過去の判例や実績にも精通している

日本看護協会5000円、都道府県の看護協会の年会費が5000円なので加入していない場合は割高に。 また病院や施設単位での申し込みはできません。

2.最安値で選ぶならWillnest(ウィルネクスト)プラン

  • なんといっても年間保険料が最も安く、共済の年会費もプラン料金に込み
  • 2980円と3440円の2つのプランから自分に合ったプランが選べる
  • 新型コロナウイルス感染症の際にはお見舞金が支給対象に
  • 最初に加入する保険としては掛け金も安く、初期費用を抑えたい人におススメです

一般社団法人日本看護学校協議会共済会への加入が義務となりますが、加入特典として弁護士や社会労務士などの専門家に相談できる無料相談窓口が充実しています。さらに、宿泊施設やチケットなどの先行優待販売といった福利厚生も利用することができるようになります!

3.メディカル保険サービス

  • 年間保険料は5640円
  • 対人、対物共に補償限度額は1億円と手厚くなっている
  • 訪問看護事業者向けにも展開している保険
  • 在宅で取り扱う機器が多く、万が一の時に高額な賠償を必要とするリスクがある人におススメ

看護師の賠償保険は派遣やパートでも必要?入らなかったときのデメリットとおすすめ保険まで紹介:まとめ

保険の加入は義務ではないので、必ずしも加入する必要はありません。

でも、ドラマの主人公のように、

「私、失敗しないので」

と言える人は少ないでしょうし、医療事故は常に隣り合わせです。

そして、残念ながら昨日まで普通に感謝をしてくれていた患者さんやその家族から、ある日突然訴えられるというのも珍しい話ではなくなってきました。だからこそ、派遣やパートの看護師でも賠償責任保険に加入することは大切です。

保険は時代のニーズに合ったものへと変化していきますから、もしものときに備えて、その時の自分の働き方に合った保険をぜひ探してみてください。

派遣やパート看護師でも、患者さんから見ればひとりの看護師でもちろん賠償責任は発生します。年間数千円で万が一の場合は大きな補償が約束されている看護師賠償責任保険は現代の看護師を守ってくれるコスパ最強の武器になること間違いなしでしょう。

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