大学病院などで働いている看護師は夜勤や業務が辛く、また重症患者さんが沢山いるので負担が大きいですよね。
そのため
転職したいな
クリニックで働くってどうなんだろう
収入が不安…
と一度は考えた方はたくさんいると思います。
筆者も長年大学病院で働き、様々な転職活動を経てクリニックで現在働いています。
転職するにあたり、一番気になるのは年収ではないでしょうか!!
そこで私の経験をもとに、さまざまなクリニック看護師の年収を診療科別で比較してみました。
高収入にするポイントも併せてご紹介しています。
ぜひ転職をする際の参考にして、年収の不安は払拭してくださいね!
クリニック看護師の年収は大学病院と比べると低い?
クリニック看護師の年収って低いよね…
看護師なら誰もがそう思っていると思います。
大学病院との年収を比較してみました。
クリニック看護師の年収と大学病院の看護師の年収の比較
クリニック看護師ははっきり言って大学病院の看護師より年収が低いです。
余談ですが、大学病院は準国家公務員にあたり給与の規定は国家公務員に準ずる形になり、昇給は年に一万円ほどあります。
- 大学病院看護師の平均年収はおよそ505万円で
- クリニック看護師の平均年収はおよそ300~350万円ほど
です。
クリニック看護師の年収が低い理由
クリニックを始め、医療機関は患者さんが来院して診療報酬が得られる仕組みです。
収益を多く得るにはたくさんの患者さんと、たくさんの処置や検査、入退院などをこなす必要があります。
クリニックは病床数が19床以下を指し、こなす処置や外来数などに限りがあるため、大学病院と比べると収益が低いのです。
収益の低さはスタッフの収入に影響します。
またクリニックは夜勤がないため、夜勤手当がもちろんありません。
大都市や地方でも大きい都市の大学病院は地域手当がありますが、クリニックはないところがほとんどです。
こういった点からクリニック看護師の年収はどうしても低くなってしまいます。
診療科別クリニック看護師の年収:小児科クリニック
クリニックの診療科別でも年収を調べてみました!
小児科は子どもが好きな人にはうってつけの職場ですね!
年収は平均で370万円、月収手取りは23万円です。
クリニック看護師の全体の年収と大きな差はないですね。
特別な器械を扱ったり、危険な作業がないため平均的な年収となります。
診療科別クリニック看護師の年収:美容クリニック
美容クリニックは美容外科と美容皮膚科に分かれます。
- 美容外科の平均年収は577万円
- 美容皮膚科の平均年収は572万円
と、どちらも大きな差はないです。
平均月収は約33万円です。
美容クリニックは自由診療で価格設定が施設側の自由なため、価格が高いほど施設の収益につながります。
美容クリニックは夜勤がないところがほとんどなので、日勤だけでこの年収は嬉しいですね!
ちなみに看護師経験が長く、手術室経験があればそれが考慮され年収が800万…なんて場合もあるようです!
診療科別クリニック看護師の年収:整形外科クリニック
整形外科クリニックの年収は他の診療科に比べてやや高く、平均で390万円ほどです。
整形外科と言っても、スポーツ整形や脊椎専門など専門分野がそれぞれあるため年収も高くなる傾向にあります。
また、近年は高齢者が増えたことにより整形外科クリニックを受診する患者も増えているため、経営が安定しているクリニックが多いです。
診療科別クリニック看護師の年収:皮膚科
皮膚科は一般皮膚科と美容皮膚科に分かれます。
美容皮膚科は先に述べたとおり、年収は約570万円です。
エステメインになり、自由診療だからですね。
一般皮膚科は治療がメインになります。
年収は約380万円と、こちらはクリニック看護師全体の平均とほぼ変わりません。
最近は一般皮膚科と美容皮膚科が一緒になっているクリニックが増えています。
一緒になっているクリニックの方が一般皮膚科の診療報酬があるため、ボーナスが安定して支給されますよ。
美容皮膚科だけだと収益が減った場合にボーナスがカットされるため、よく考えて勤めた方がいいですね。
診療科別クリニック看護師の年収:眼科
こちらの年収はだいたい400万円前後です。
手術を行っているクリニックだと診療報酬が高いため、看護師の年収も高くなります。
クリニックで働きたいけど、お金もなるべく欲しい…という方は手術室業務にチャレンジしてみましょう!
筆者は手術室で長年働いてきましたが、眼科は使う器械や手順を一度覚えてしまえばすることがルーチン化されているので後は簡単ですよ。
診療科別クリニック看護師の年収:耳鼻科
耳鼻科全体の平均年収は約380万円とクリニック看護師の平均年収とさほど差はありませんね。
しかし、外来だけのクリニックもあれば、日帰り手術があるクリニックもあります。
お金がなるべく欲しい人は手術室業務があるクリニックの方が年収は高いのでそちらがおすすめです。
診療科別クリニック看護師の年収:産婦人科
産婦人科と言っても、フィールドによって年収に差があります。
細かく見ていきましょう。
産科クリニックは入院設備があり、夜勤をこなすため年収は約400万円となります。
助産師はさらに年収があがり、550万円前後です。
レディースクリニックは外来のみになるため、年収は350万円前後となります。
不妊治療専門クリニックは特殊ではありますが、危険な作業をする訳ではないため、年収は370万円前後となります。
クリニック看護師のボーナスはどれくらい?
クリニックのボーナスは正直に言って期待はできません。
院長や院長夫人のさじ加減のため、施設によってバラツキがあるのが現状です。
- 月給の1~1.5か月分
- 1万円~3万円
- 冬に5万円で夏に3万円
など様々です。
クリニック看護師は給料が低くても働く価値がある?
クリニックの魅力は何といってもワークライフバランスの取りやすさでしょう。
夜勤がなく日勤のみ…これは精神的にも肉体的にも負担が軽くなります。
また、平日にも半日休みがあることが多いので助かりますね!
お盆休み、年末年始の休みがあるクリニックがほとんどなので、特に家庭がある方は家族と予定を合わせやすいですね。
他には重症患者がほとんど来ないため、緊急対応をすることがほぼないので精神的な負担が軽いと言えます。
クリニック看護師になりたい人必見!給料が高いクリニックを見分ける3つのコツ
クリニック看護師になりたいけど、お給料が高いところは結局どこなんだろう…
そんな方のために3つのポイントをまとめてみました!
月給+ボーナス金額を確認する
転職活動をするときは必ず、様々なクリニックを調べて月給を比べましょう!
ボーナス金額を知りたい場合は転職サポート会社を間に挟み、確認するのも一つの方法ですよ!
クリニックに直接聞きにくいことでもサポート会社は確認してくれます。
どんどん活用しましょう。
また、月給が高いクリニックは
- 透析など専門性が高い
- 自由診療を行っている
- 都心部など立地が良い
クリニックです。
ぜひ、探して積極的に応募しましょう!
どれくらいの手当が含まれた金額かを確認する
先ほども少し触れましたが、透析など専門性が高いクリニックはその分の手当てがつくので給料が高くなります。
訪問看護ステーションは看護師に課せられる責任も大きいため基本給が高く、オンコールがある場合もあるためオンコール手当てがつきます。
このようにクリニックによって手当てがあるため、確認しておきたいポイントですね。
見込み残業手当やインセンティブの有無を確認する
クリニックによっては月給の中に見込み残業手当がある場合があります。
例えば月に20時間分の見込み残業手当込みで月給が25万円となっていると、残業をした時にトラブルが発生する場合があります。
あらかじめ
- 月給に見込み残業代が入っているのか
- 入っている場合は何時間分でいくらなのか
を必ず確認しておきましょう!
インセンティブですが、特に美容クリニックで売り上げ目標が達成できた場合に発生することがあります。
これはとても嬉しいですね!
美容クリニックなど売り上げ目標があるクリニックで働く場合はインセンティブの有無を確認しておきましょう。
やりがいにつながりますよ。
クリニック看護師の年収を上げる4つのコツ
クリニックで働くと給料が低いままなのかな…
そう思う方もいるかもしれません。
けど、そんなことはないですよ!
自分の努力次第で年収を上げるコツがあります。
管理職になる
看護師経験が長いと、管理職としてクリニックに就職できる可能性があります。
探せば管理職候補募集があり、中には年収が500万円以上のところもありますよ!
管理職を目指している方、自信がある方はそういった募集を探しましょう。
もちろん最初は平の看護師として就職し、働きながら管理職を目指す道もあります。
スキルアップして資格手当をもらう
専門性が高いクリニックであれば、その分野の資格を取って年収を上げる方法もあります。
これは自分の頑張りが認められることになるので、やりがいにつながりますね。
先に少し触れましたが、例えば産科のクリニックであれば助産師の資格があると、看護師として働くより年収が大幅にアップします。
クリニックによりますが年収が100万円以上違う場合がありますよ。
給料やボーナス、福利厚生がしっかりしているところに転職する
これはクリニックに限らずのポイントですね。
事前に給料やボーナス、福利厚生についての詳細は調べておきましょう。
特に月給の内訳は何かしらの手当込みなのか、それとも別に何か手当てがつくのか確認しておきましょう。
入職してから「えー!こんな内訳だったの!?」となる場合があります。
私も経験者です(笑)
自分一人では限界があるので、転職サポート会社を頼るのもありです。
詳しい内部事情を知っていたり、聞きにくいことを代わりに聞いてくれたりするので非常に心強いですね。
副業して収入の柱を増やす
こちらはクリニックの収入だけに頼らない方法ですね。
在宅で初心者が一番手を出しやすいのはクラウドワークスです。
自分が出来る分野の仕事(例えば文字起こしや、データ入力など)を選べますよ。
ハンドメイドやアフィリエイトという方法もありますが、収益を得るまでに時間がかかり少なくとも半年ぐらい…と長い目で考えた方がよいでしょう。
ここで詳しくは触れませんが、特に在宅の副業は詐欺が多いので充分に注意しよく考えてから行いましょうね。
在宅以外では夜勤のバイトや単発での仕事があります。
夜勤バイトは施設によりますが、一日に2万円以上のところもありますよ。
単発の仕事はメディカルコンシェルジュなどの転職サポートの会社に登録していると、メールなどで紹介してくれます。
時給はだいたい1500円以上からのものがほとんどです。
また、副業をする際はクリニックに副業をしていいか確認し、本業に支障をきたさないよう注意してくださいね。
クリニック看護師の年収は?診療科別の給料比較と高収入にするポイントのまとめ
クリニックの平均年収は確かに低いですが、診療科で選ぶと年収アップが可能です。
狙い目は
- 自費診療がある
- 手術室業務がある
- 産科
クリニックとなります!
さらにクリニックの分野に応じて資格を取得したり、昇格することで年収アップが期待できます。
もちろん最初から管理職に限定して探すこともできます。
また
- 月給の中に手当てがどのような内訳でどのくらい入っているのか
- ボーナスはどのくらい支給されるのか
は必ず確認しましょう。
月給の内訳の認識が違うと「思ったよりも年収が低かった」ということになるかもしれません。
クリニックだけでの収入に頼らず、副業をして収入を増やす方法もあります。
実際に施設にバイトをしに行ったり、在宅ワークしたりと方法は様々ですよ。
クリニック看護師の年収は大学病院より少ない場合がほとんどですが、自分の家庭状況やライフスタイルによっては充分に働く価値がありますよ。
今回紹介したポイントを踏まえて探すと、年収が高いクリニックが見つかります!
自分の努力次第でライフスタイルに合った希望のクリニックで働けますよ。