訪問看護師になるには?役割や仕事内容、必要な能力知識と資格や経験、働く場所など紹介

訪問看護師になりたいけど、どうしたらいいんだろう?

訪問看護って難しいのかな?

と思う方も多いのではないでしょうか。

訪問看護師はこれからどんどん、必要になってくる看護師の一つです。

看護師のイメージは病棟や手術室などが多いかもしれません。

が、実は訪問看護師と毎日、町の中ですれ違っているんですよ。

今回はそんな引く手あまたな「訪問看護師」の役割や仕事内容、必要な能力など隅から隅まで現役訪問看護師がご紹介致します!

目次

訪問看護師の役割って?そもそも訪問看護とは?

訪問看護とは

”看護師がお宅に訪問して、その方の病気や障がいに応じた看護を行うこと”

(公益社団法人日本訪問看護財団HPより引用)

とされています。

病院だと、看護師が「病室」に伺って看護を行いますよね。

訪問看護は、利用者様の「家」などに伺って看護を行います。

訪問看護師の役割は、

 ・個別の看護を展開する

 ・病院と入院、退院の調整を図る

 ・自身のスキルを増やし、ケアを他の社会資源とつなぐ

 ・自宅で過ごし、最後を迎えることを広げる

 ・行政へ、ケアの質を向上させるための提言

が大きなものとして上げられます。

病院を退院され、地域で過ごす方が最後まで自宅で暮らすことを支えるのが一番の役割です。

そのためにしっかりと自分の知識や技術を磨き、地域住民に発信して、行政へも提案していくということですね。

訪問看護師が働く場所はどんなところがある?

訪問看護師が働く場所は「訪問看護ステーション」になります。

地域で働く看護師の職場として、「クリニック」「保健所」「保育園」「幼稚園」「学校(養護教員や看護教員など)」「市役所」などになります。

その中で訪問看護ステーションに所属する看護師を「訪問看護師」と呼びます。

ステーションから「自宅」はもちろん、「有料老人ホーム」「グループホーム」「特別養護老人ホーム(ショートステイ利用中の方の対応)」に訪問するなど現場はいろいろです。

訪問看護師って何人くらい働いてる?新人やママは多い?

看護師(准看護師含)資格取得者が日本に約166万人います。その中で訪問看護師として働いているのは約47000人となっています。(日本看護協会出版会編集「平成29年看護関係統計資料集」より)

1つの事業所で2.5人以上は常勤の看護師が必要とされています。

所属している看護師の人数はステーションの規模によりますが、

・7人未満が小規模、

・15人前後が中規模

・20人以上が大規模

というイメージですね。

最近は新人看護師向けの訪問看護研修やママさん看護師向けの復職研修なども開催している都道府県は多いです。

そのため子育てなどで看護のブランクがあった方や、訪問看護師をめざして看護師になった新卒の方も訪問看護ステーションにいらっしゃいますよ。

訪問看護師の業務内容

では具体的な業務内容について見てみましょう。

看護の内容は病棟と変わりません。

採血や点滴もしますし、人工呼吸器の方の看護も終末期の方の看護もします。

入浴介助や食事介助の生活支援も行います。

訪問看護特有の仕事について説明しますね。

医療保険と介護保険の違いって?

まず訪問看護は「医療保険」と「介護保険」によって報酬や看護の内容が変ってきます。

ベーシックなのは「介護保険」です

在宅ケア(デイサービスやホームヘルパーなど)はこの「介護保険法」に則って動きます。

主に「介護」にかかったお金を保険でカバーするイメージですね。

では「医療保険」との違いはなんでしょう。

それは「医療面でのサポート」になります。

医師が医療的な治療やケアが必要だと判断した場合に利用することができます。

要介護認定(要支援、要介護度)を受けている方は「介護保険」

要介護認定を受けていない方は「医療保険」が優先されます。

ただ、要支援・要介護の方でも、末期のがんや特定疾病の場合は医療保険が適用になります。

訪問看護指示書ってなに?

訪問看護指示書がないと、訪問看護は利用できません。

「この患者様には訪問看護が必要だ」と医師が判断し、指示書を作成してもらわないと訪問看護で訪問することはできません。

また、指示書の種類によって「訪問看護指示書」は最長6ヶ月、「特別訪問看護指示書」は原則最長14日という期日の決まりなども違ってきます。

(訪問看護指示書は期限が切れるまでに再交付してもらえれば継続して訪問できます。特別訪問看護指示書には細かい規定があります。)

訪問看護計画と訪問看護報告書って?

訪問看護の指示書が出たら、「Aさんにはこのような看護を提供します」ということが分かる「訪問看護計画書」を作成して、利用者・主治医・ケアマネージャーに配布しなければなりません。

そして計画書にそって看護を行い、月末には「訪問看護報告書」を主治医・ケアマネージャーに提出して報告します。

1ヶ月の利用者の変化や訪問看護を継続する判断になる情報を提供し、今後のケアやマネジメントにつなげるものです。

訪問看護師になるのに必要な知識はや経験は?

訪問看護師になるために必要な知識は

・基本的な看護の知識

に加えて

・介護保険法の知識

・健康保険法の知識

・地域の環境の特性(簡単に言えば土地勘っていうものですね)

が必要になってきます。

介護保険法の知識は必ず必要で、知りませんでしたでは事業所の存続や報酬の請求にも関わってきますので必ず押さえておきましょう。

訪問看護師になるのに必要な能力は?

「〇〇の能力は必ず必要!」ということはありません。

ただ、自宅に訪問するということで

・一般的なマナーなどの常識

・家族にまで気を配れる余裕

は必要ですね。

これがないと「もうあの看護師さんには来て欲しくない」と思われてしまいます。

逆にいうと、これができればほとんど拒絶されることはありません。

あとは看護の知識を学んで増やし、技術に磨きをかけるのみです!

訪問看護師になるには必要な資格はある?

訪問看護師になるために必要な特別な資格はありません。

強いて言えば「准看護師以上の看護師資格」ですね。

・准看護師

・正看護師

・保健師

・助産師

があれば訪問看護師として働くことが可能です。

しかし、次に挙げる資格があれば信頼や就職に影響してきますので目指してみましょう!

・介護支援専門員(ケアマネージャー)

・在宅ケア(訪問看護)、感染管理、皮膚・排泄ケア、糖尿病などの認定看護師

・がん、地域、老人、在宅、慢性疾患、感染症、家族などの看護専門看護師

・呼吸療法認定士         など

訪問看護師になるのに条件はある?

条件と言えば、前項でも説明した「准看護師以上の看護師資格」になります。

あとは看護師資格を取得する際に「欠格事由」がないことです。

訪問看護師のメリットとデメリット

訪問看護師のメリット

メリットといえば「利用者様と1対1でケアができる」ということが一番です。

病院では時間に追われて話を聞くことができないというジレンマがあります。

また、「仕事時間に余裕が持てる」こともメリットですね。

ケアプランで時間が決まっているため、短いことも長すぎることもありません。

そのため残業が少なく、プライベートとの両立がしやすいです。

訪問看護師のデメリット

デメリットは「自分で判断することが多い」です。

もちろん、迷ったときには電話で上司や主治医に相談することは可能ですが基本的には自分で判断して行動することが多いです。

そのため、精神的に負担になる方もいらっしゃるのも現実です。

またオンコールがある事業所だと、担当の日にはいつ急な訪問があるかわかりません。

そのためその日は遠出や晩酌ができません。

訪問看護師になるのに研修はどんな感じ?

特に定められた法定研修はありません。

しかし、各都道府県看護協会や訪問看護財団などが行っている研修には参加しておいた方がよいでしょう。

訪問看護師になるときの研修期間と研修内容

〇「訪問看護e-ラーニング」(日本訪問看護財団主催)

eラーニング 公益財団法人日本訪問看護財団 (jvnf.or.jp)

 これはweb研修になりますので、自分の空いた時間を利用して研修を受けるということのなります。

研修内容は

・訪問看護概論

・在宅ケアシステム論

・リスクマネジメント論

・訪問看護対象論

・訪問看護展開論

・訪問看護技術論

という構成になっており、新卒の方や初めて訪問看護に携わる方におすすめの内容です。

〇都道府県看護協会の研修

訪問看護入門研修(講義・実習各1日 合計2日間)

 →訪問看護を知ることを目的

訪問看護研修ステップ1(30日程度)

 →基本的な訪問看護の知識や技術を習得することを目的

訪問看護師の1日のスケジュールはどんな感じ?

現役訪問看護師の私の一日のスケジュールはこんな感じになります。

8時30分  出社・情報収集    前日までの利用者の変更情報を確認

8時45分  朝礼・ミーティング  オンコール内容や本日の予定を確認

9時    1件目訪問

9時30分  移動

10時     2件目訪問

11時     移動

11時30分   ステーション到着・記録入力・午後からの訪問準備

12時    休憩

13時00分   ケアマネージャーや主治医へ連絡など

13時30分   3件目訪問

14時    移動

14時30分   4件目訪問

15時    移動

16時    5件目訪問

16時30分  移動

17時    ステーション到着・記録入力・翌日予定確認と準備

17時30分  退社

この他にも緊急の訪問が入ったり、時間外にオンコールがあれば対応していきます。

訪問看護師の給料はどれくらい?

給料は都心部と地方によっても差が出てきます。

これはどの職種にも言えることですよね。訪問看護も例外ではありません。

訪問看護の平均年収は460万円と言われています。

地域の差がありますから、これよりも高いところもあれば低いところもあります。

では同じ地域で何で違ってくるのか。それは「手当」です。

訪問看護には「オンコール手当」「訪問手当」など病棟看護師とは違う手当が様々あります。

また事業所によっても他に特殊な手当が付く場合もあるので一概に言えません。

訪問看護師の服装や持ち物はどんなもの?

現役訪問看護師の私の仕事服は基本的に上着:スクラブ、ズボン:動きやすいものというスタイルです。スクラブはすぐに乾く上に動きやすいですから重宝してます。

カバンはいつもパンパンです。

何が入っているのでしょうか?現役訪問看護師の私はいつも、

・聴診器

・血圧計

・体温計

・パルスオキシメーター

・バインダー

・記録用紙

・アルコール綿

・タオル2枚

・換えの靴下

・水筒

・ビニール袋3枚

・電卓

・ディスポーザブルの手袋

・手指消毒剤

などがレギュラーメンバーになっています。

他にもケアに必要なものを準備してカバンに詰め込み、訪問に向かいます。

訪問看護師に向いているおすすめな人はどんな人?

訪問看護師に向いている方は、

「恐がりな人」

といつも後輩に聞かれた時は教えています。

意外な答えだと思いますが、本当にそうなんです。

それはなぜか。

恐いとケアのときに慎重に判断できます。

恐いと何度も確認をします。

恐いと相手の気持ちも考え共感することができます。

びくびくしている人ではありません。

自分の看護が「人の命を預かっている、支えている」ことを自覚し、「一つ間違えれば命につながることを知っている」人です。

訪問看護師の勤務先を選ぶときに見ておくべきポイントはある?

訪問看護ステーションの勤務先を選ぶときには次の4つがあります。

・手当の種類

・訪問範囲

・看護師の人数

・対応している利用者

人間関係は正直、一人で行動するため、あまり重要視はしなくても大丈夫です。

給与に関係する手当はなにがあるのは必ず確認して下さい。

オンコール手当はきちんと付くのか。オンコールで対応したときには別に手当が付くのかなど重要です。

訪問する範囲が広すぎ、在籍している看護師の人数が少ないと移動時間もない急いでしまい、時間に追われてしまいます。交通事故を起こしたり、ゆっくりと寄り添う看護ができなかったりします。

訪問看護師になるには?役割や仕事内容、必要な能力知識と資格や経験、働く場所など紹介:まとめ

訪問看護師は訪問看護ステーションで働く看護師のことを指し、地域の中で看護以外にも幅広い役割を持っています。利用者と地域、医療をつなぐ役割が大きいですね。

少人数のところから20人を超える大所帯の所まで様々で、正社員・パートでは仕事内容も様々。多様な働き方が選べるのも特徴です。

必要な資格は准看護師以上の看護師資格で、特に必ず受けないといけない研修もないため、興味があればすぐに挑戦できる分野ですし、スキルアップする資格や研修もたくさんあります。

一日5件ほどの訪問で、夕方にはほぼ終わるため、プライベートとの両立も可能な分野です。

給料も手当があるところを選べば病棟勤務とさほど差はありません。

看護のすごさと恐ろしさをきちんと理解している方はしっかりとした訪問看護師になれるはずです!

いかがでしょうか?

訪問看護師は意外に敷居が低い分野なんです。

そして自宅という利用者様が一番安心して暮らせる場所で最後を迎えられるように支援するというとても魅力的な仕事だと思います。

是非、少しでも興味がある方は挑戦してみてください!

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