今回は訪問看護師に向いている人の特徴(資質・性格・考え方)について教えてもらいましたよ!
「私、訪問看護師になっても大丈夫なのかな」
「訪問看護師ってどんな人が向いてるのだろう」
と未知の世界に踏み込むときには考えることでしょう。
今回はそんな方に、訪問看護師として必要な資質(考え方)を紹介していきます!
訪問看護師に向いている人の資質はどんな性格や特徴?
ではさっそく、訪問看護に向いている人材はどんな方か一つずつ解説していきましょう。
これから解説していくものはあくまでも例ですので、これが全てではありませんからね!
患者さんの生活に合った看護がしたい
まず一つ目がこれです。
病棟との看護で一番の違いは、生活に入り込んで看護することができます。
患者さんは一人一人がその人の人生で培ってきた「生活」を持っています。
こちらの都合で動かしたり、予定を押しつけることはできません。
その生活を基盤として看護ができる人が最低条件になりますね。
夜勤はできないけど収入が高めな仕事がしたい
次に「子どもがまだ小さくて夜は家にいないといけない」「親の介護があるので」「夜は趣味を楽しみたい!」など、夜にプライベートのイベントがある方にはもってこいです!
また、オンコールをしたり大規模で経営が安定しているなどの条件がついてきますが、わりと高収入で安定的な生活は望めます。
子育てや介護、多趣味などお金がかかる方にはもってこいです!
患者さんとのコミュニケーションが好き
訪問看護は「介護保険」「医療保険」にのっとって経営しています。
そのため、一人の患者さん事に時間の制約があるので「途中で退室」などのイレギュラーが起こりにくいですね。
なので余った時間やケアの最中などは患者さんと一対一でみっちり話すことができますよ。
患者さんも話すことが好きな事が多いので、話し好きの看護師さんにはもってこいですね!
あいさつやマナーに関して怒られることが少ない
もちろん、最低限のマナーを身につけていることが大前提の話です!
厳しい病院では礼の角度まで指摘や指導されるところもあるみたいですが、訪問看護ステーションでそこまで徹底しているところは数少ないでしょう。
また、一人で行動するのでお局様にぐちぐち言われることもないです。
念押しになりますが、最低限の常識があることが前提ですからね!
病院以外での仕事や経営スキルや起業も考えてみたい
最後にプレイヤーとしてではなく、マネージャーとしても働きたい人にはこれも魅力的ですね。
病院では基本的にはプレイヤー(現場で看護を提供する人)でマネージャー(経営スキルなどを使う人)は極わずかの管理職のみです。
訪問看護は100人単位の大人数で働くことはありません。
なのでステーションの管理者やエリアマネージャーなどにもなりやすく、経営スキルや起業する際に必要なスキルを学ぶことができます。
請求業務などの事務作業ももれなくついてくるので、「看護をつくる」立場になりたい方はもってこいですね!
訪問看護師に合わない性格や考え方
では次に、「合わない性格」や「考え方」についてお話しますね。
現役訪問看護師の私も、「この人、訪問看護しててたのしいのかなぁ」と勝手に思ってしまう方はいました。
これから話すことも一つの例なので、「訪問看護は苦痛だ」と感じる方は施設や病院などへの転職を視野に入れて見た方が看護師人生楽しいと思います。
患者さんとの会話や傾聴が得意じゃない
「とにかく傷の処置をしたい」「効率重視で仕事を終わらせたい」など「患者さん」を見れない方はやめておいた方が良いかと。
きっと苦痛な毎日を送ることになると思います。
前項にも書いたように、「患者さんの生活に合わせて看護する」からです。
全てが相手ペースなのです。
患者さんへの配慮や気を配るのが苦手
これは主観でわかる方と言われて気がつく人と分かれますよね。
これは決して合わない生活ではないですが、「改善しようとする気が無い人」はやめておいた方がいいです。
改善しようとしない人はいつまで経ってもできません。
なので訪問看護はむかないでしょう。
リーダーの指示がないとなにをしていいかわからない
これも上記と一緒で改善する気があるかないかですね。
指示がないとわからないというより、「動こうとしない人」ですね。
訪問看護は一人で行動するので、指示なんてものはありません。
現状を見て、自身で考えて看護を展開していくので、指示ありきの方には向きません。
患者さんのペースに合わせるよりも効率重視
患者さんの生活に「効率」なんてものはありません。
あるとしても看護サイドの手順のみです。
ここは効率よく準備・実施・片付けするのみでしょう。
「絶対この順番でケアした方が早く帰れるのに」なんてことは頭から消してしまってください。
患者さんのことが気になって仕事以外でも気にしてしまう
これは病院でもそうですが、好きな患者さんがいるとします。
休みの日でも顔を見に職場へ来たり、自身のお金で必要なものを購入したりという「貢ぐ援助者」ですね。
こういう方は必ず「バーンアウト」します。
その患者さんが転院したり死亡退所したりしたときに必ず「燃え尽き症候群』になってしまいます。
仕事とプライベートは分けて考えられないと自身が辛くなり、楽しい訪問看護生活は過ごせません。
きれい好きで人の家に入るのが苦手
その人の生活はその人の価値観などで決まります。
確かに私達が行くと「きちんと掃除すればいいのに」と思う家もありました。
しかし、それは看護師の価値観であり、患者自身はそれで良いと思っているかもしれません。
そこは訪問時にすり合わせて「綺麗にしたいけどできない」などの理由があればケアマネージャーに相談してみましょう。
医療が好きでテキパキと処置をこなしたい
これはよく見られることですが、病棟から訪問看護に来た方は良くある話です。
在宅酸素や人工呼吸器、腹膜透析などの医療処置になると目が輝きますが、入浴介助や排泄介助になると「え、なんで看護師なのにしないといけないの?」とモチベーションが急落する方がいます。
訪問看護の主な役割は医療ではなく「生活」です。
そこは間違えないようにしましょう。
年収を下げるのはいや
夜勤バリバリ、残業ばっかりで給料がものすごく高くもらっていた方。
そのような方はオンコールや緊急対応手当をいくらもらっても限界がありますので、収入は下がってしまいます。
給料を見て落胆するのは目に見えています。
オンとオフはしっかり分けておきたい
「看護服を着ているときは看護師」「私服のときには仕事のことは考えたくない」と思う方。
オンコール時にはそんなことはできません。
オンコールは確かに行動の拘束はないものの、プライベートの時間でもかかってくるのでオンとオフではグレーな状況ですね。
はっきり分けたい方には少し中途半端に感じてしまうかもしれません。
訪問看護師に合わない性格や考え方でも訪問看護師として働くコツ
合わない性格だから訪問看護はできないの?
そんなことはありません。
短所はカバーすればいい話です。
合わない性格をカバーする方法をお教えします!
患者さんとの会話や気を配るのは今からでも身に着けられる
先ほども書いた通り、「気持ちがあれば」変わることは可能です。
はじめは注意されることもあるでしょうし、気が利かないといわれることもあるでしょう。
それを一つずつ解決していけばいい話です。
次はこうしよう、と常に気持ちを構えておけばすぐに気が利く人になれますよ。
指示がなくても自分で考えたうえで先に相談していくようにする
指示がなくても動かなくてはいけません。
訪問看護は行動は一人でも常に連絡が取れるシステムを作っているはずです。
「自分はこう考えたんですけど」と連絡し、相談すれば大丈夫でしょう。
効率重視でも時間の中では心に余裕をもたせて調整しておく
先ほども述べたように、効率重視で良いところと悪いところは分かれています。
決められた時間の中でケアしていくので、「ゆっくりやっても大丈夫だな」と余裕をもってケアをしてみましょう。
そして空いた時間にプラスアルファで一つケアを追加します。
そしたらきっと「あなたは他の人はしてくれないことまでしてくれる」と信頼を得ることができるでしょう。
患者さんのことが心配でも経験を積むうちになれることができる
自分の担当患者さんが気になることはとても良いことです。
マザーテレサも「愛情の反対は憎しみではなく無関心です。」と言っているように、無関心な職員よりは良いでしょう。
でも24時間365日、その人だけを見ていると他の担当患者のことも同じようにできますか?
難しいですよね。
患者さんのことが心配でも、「今日はきちんとケアしたから大丈夫!」と自信が持てるようになれば、大丈夫です。
潔癖症でもアイテムを使うことで訪問しやすくなる
確かに掃除が行き届いていない自宅もあるでしょう。
そのような場合には訪問専用のスリッパを持参したり、シューカバーを使うなどアイテムを利用しましょう。
もちろん使うときには上司や患者さんに許可を得てから使用してください。
また使い捨ての靴下を持参しておくのも一つの手ですよ。
訪問看護師に必要な資格や経験はある?
訪問看護ってどうしても病院とは違い、特別な看護のイメージが強いですよね。
そんな訪問看護の必要な資格や経験は何か説明していきましょう。
地方の訪問看護には運転免許がないと困る
地方では公共交通機関が発達していなかったり、家と家がとても離れていたりと移動に不便を感じることは多々あることです。
そのため、自転車では時間がかかりすぎて効率よく訪問できないため、普通自動車免許は必須になってきます。
これは訪問看護に限らず、他の職種でもプライベートでも自動車は使います。
だいたい、地方の方は高校卒業と同時に免許取得しますね。
訪問看護経験がある人はほとんどいない
現役訪問看護師の私もはじめは素人同然でした。
介護支援専門員の資格を持っていても請求業務などはしたことがなかったです。
訪問介護員をしていたこともあり、在宅の様子はわかっていましたが、実際に訪問看護となると違いましたね。
何もかも1から学ぶことばかりでしたよ。
1年もすればそれなりに制度の仕組みや患者さんのこと、主治医やケアマネとの連絡方法、家族との関係性などわかってくるようになります。
どうしても訪問看護の性格になじめないようだったら病院での勤務なら安心
訪問看護にチャレンジしてみたけど、どうしても性格に合わず、苦痛であるという方。
もちろんそれが悪いことではありません。
適材適所という言葉があるように合う合わないが悪いわけではありません。
「訪問看護が合わない」という方は「病院や施設などであれば合う」ということを知る機会になったとポジティブに考えましょう。
病院での看護があってこその訪問看護です。
訪問看護師に向いている人の資質はどんな性格?合わない性格や考え方でも働くコツのまとめ
訪問看護師として働いていくには「相性」というものがあります。
自分の性格や仕事に対する姿勢を客観的に見て、判断できればいいですね。
どうしても合わなければそれはそれで良いのです。
適材適所で自分の看護が発揮できる場所を探していきましょう!
合わなくても訪問看護をしたい!と強い思いがあれば、石の上にも三年です。
次第に慣れていき、いつの間にか訪問看護に適任な看護師になっているとことでしょう。
いかがでしたでしょうか?
その人が訪問看護をしていくにはそれなりの「資質」が必要となってきます。
今回紹介した「合う」「合わない」は資質が「ある」「ない」ではありません。
訪問看護はとにかく楽しい世界です!
資質のあるなしを考えすぎず、少しでも前向きに楽しい訪問看護生活が送れるといいですね。