看護師として働いていると、「転職」という言葉が何度も頭をよぎりますよね。
「今よりいい条件の職場で働きたい」
「スキルアップしたい」
転職の理由は様々ですが、いざ転職サイトを見てみると、求人がびっくりするほどあります。
中には給料が高く、残業が無いなんて所も。
「いまの職場よりいい条件·····。」
「転職してみようかな·····。」
なんて思った人。
ちょっと待ってください。
その求人。
裏があるかもしれません。
「今よりいい条件で転職をしたはずなのに、前の職場より酷い・・・。」なんてことになったら大変。
今回は、本当に優良な求人と危険な求人の見分け方をご紹介していきます。
転職を考えているあなた。
1歩を踏み出す前に、ぜひこの記事を読んでください。
その求人。本当に大丈夫?
求人情報のウラ側を知って読み解くコツ
では、どんな求人に気をつけるべきなのか。
どうやって見分けていくのかご紹介しますね。
「残業なし」「大変働きがいがある職場」は確認が必要!
「残業なし」「大変働きがいがある職場」などどいう文言をよくみます。
しかし、医療の現場は常に人手不足。
一般病棟の正規職員で、残業が全くないなんて有り得ません。
また、看護師のお給料というのは残業で大きく変わります。
つまり、「残業が少ない=お給料が少ない」なんてことになりかねません。
残業がない場合のお給料はどのくらいなのか。
そもそも本当に残業がないのか。よく確認しないといけないところです。
リハビリテーション中心の病院や保育園・デイサービスなどの勤務ですと、時間通りに終わっているところも多いです。
そういったところの求人で、残業が無いというのは、あながち間違いではありません。
そして、もう一つ注意しなければならない文言。
「働きがいのある職場」
こういった抽象的な表現を使っている求人も注意です。

残業があったり、業務が忙しい職場で使われることもあります
どういった点が働きがいのある職場なのか。
働きやすい職場なのか。
具体的に記載してないところは、内容や制度などしっかり確認しましょう。
給料の確認①給与の内訳をしっかりチェック
働き始めのころ、手取りばかり気にしていて、細かいところは全く見ていなかった…なんて経験ありませんか?
特に若い頃は、細かな内訳をみる余裕もありませんでした。
ここで一つ問題です。
「月給」「月収」の違いを知っていますか?
月給と月収のちがい
月給=基本給+固定手当(資格手当など)
月収=基本給+固定手当+変動手当(夜勤・残業手当)
実は、総支給額というのは、色々なものが含まれています。
求人でも○○万/月と表記されていることがあります。
純粋に基本給や固定給のみを表記してくれているところもあれば、残業やその他の手当込で表記してあるところも。
やたらと給料が高いところは、残業代も含まれての給料の場合があります。
「/月」は「月給」なのか「月収」なのか。
注意が必要です。
「やたら高い」「やたら低い」の基準がなかなか分かりずらいですよね。

年齢や経験年数が自分に近い給料のモデルケースが求人にある場合はチェックしておくのがおすすめです
給料の確認②賞与の有無が年収アップの鍵
年収というのは、職場を選ぶ上で大きなポイントですよね。
これはボーナスによって大きく左右されます。
ボーナスは夏・冬の年2回のあるところが多く、基本給がベースとなってきます。
賞与で注意するポイント
①年2回のボーナスがあるか
②基本給が低すぎないか
特に、②は事前にしっかり確認してください。

基本給が低いとボーナスの額も低くなります!
例えば
A基本給21万+変動手当(夜勤など)9万=30万/月収
B基本給26万+変動手当(夜勤など)4万=30万/月収
だとします。
どちらも夏・冬にそれぞれボーナスが2ヶ月分・3ヶ月分支給されると仮定すると·····。
A42万+63万=105万
B52万+78万=129万
となります。
月々に貰える給料は一緒でも、ボーナスで大きな差がついてしまいます。
そして、基本給というのは、今後も大きく変化していきません。
「基本給を上げる=ボーナスも増額」となってしまうため、企業側としては、基本給はあまり上げずに手当を増額するという傾向があります。
そのため、基本給の額が肝心です。
「勤務時間」に申し送り時間が入っているのかチェック
勤務時間もチェックが必要です。
看護師の仕事は「申し送り」というのがありますよね。
これがまた結構時間がかかるんです。
例えば夜勤の終了が9時として、9時からが日勤の場合。
自分が9時に帰れることはまず無いですよね。
「申し送り」をする時間分が延長となってしまいます。
もしくは日勤が早く出勤をする必要があるかもしれません。
交代のタイミングで、次の人との時間が重なっているか。
ここがポイントです。
30分程度重なっていれば問題ないですがチェックしておくことが大事です。
経験年数浅い場合は教育体制もチェック
1年~2年ほどで転職を考えている場合や未経験科に転職する場合。
次の職場で研修やプリセプター制度(先輩看護師がマンツーマンで臨床実戦を指導してくれる制度。)があるか確認しましょう。
「未経験可」と表記されていると安心してしまいがちです。
しかし、アフターフォローがしっかりしていなければ、転職後に自分が苦労することになってしまいます。
面接のときにどんな教育体制でサポートが受けられるのか確認しておきましょう。
休日をチェックするコツは休日数と年間休日数の両方をチェックすべし
人手不足と言われている医療現場。
休みはしっかり取れるのか、重要なポイントになってきます。
年間の休日日数が、105日以上のところであることを確認してください。
休みを充実させたいのなら120日以上のある所がオススメです。
ちなみに、完全週休2日と夏期・冬季休暇(各3日ずつ)の場合、年間の休日日数は、110日となります。
しかし、実際の有給消化率が低いと、105日以上のところを選択しても、休暇を取れないなんてことも。
休みがしっかりとれるのか自分では確認しづらい‥
そんなときには看護師求人サイトを利用してみましょう。
コンサルタントに確認してもらうことができます。
\わたしも最初に登録した転職サイト/
自分が働きたい職種・職場があるかをチェックするコツ
スキルアップが目的の転職や、未経験な科で働きたいと言う場合。
病院自体にその科があっても、その科に求人があるかどうか分かりませんよね。
その部署で、求人があるかどうか。
また、今はなくとも移動ができる体制があるのかどうかなどを事前にチェックしておきましょう。
看護配置から忙しさを読み解く
看護配置とは、「看護師が何人の患者を受け持つか」ということです。
単純に少なければいいわけではありません。
重症度の高い患者さんが多ければ、それだけケアする量が多くなり、必然的に忙しくなります。
また、在院日数が短いために、看護配置が少なくなっていることも。
こういったところは、やはり求人票から読み取ることは、なかなか難しいのが現状です。
転職専門のコンサルタントに情報収集してもらったり、その病院に勤めている人の実際の声・口コミなどを確認したりしましょう。
待遇・福利厚生欄で自分の欲しい情報をチェック
社会保険が完備されているか。
遠方から就職を考えている場合や子供がいる場合(将来的に子供を考えている場合など)、寮や託児施設はあるか。
こういった点も大切なチェックポイントです。
以下にチェックポイントをまとめておきます。
①寮の費用・空き状況
②駐車場の有無・費用・空き状況
③託児施設の有無・時間・費用
④社会保険が完備されているか。
求人情報が載ってない場合の対応方法
就職したい病院があるんだけど…でも、求人が出ていなければ転職活動ができませんよね。
そんなときには、
①求人コンサルタントに問い合せてもらう。
②直接電話してみる。
がおすすめです。
②はちょっと難易度が高いなと言う方。
①を利用してみましょう。
求人コンサルタントとは、看護師の転職サイトに登録すると、いろいろとサポートをしてくれる存在です。
転職サイトならではの非公開求人を紹介してくれたり、病院の内部事情を知っていたりと、何かと情報を持っています。
また病院との繋がりもありますので、求人が無いか、今後出る予定は無いかなど確認してもらいましょう。
看護師必見!求人情報のウラを知って失敗しない転職を叶えるコツ:まとめ
「給料が高い」「残業がない」など魅力的な文言を書いてある求人は沢山あります。
しかし、蓋を開けてみると、実際は、
「残業込みの金額だった·····。」
「残業しないと給料が低すぎる·····。」など、たくさんの失敗談があります。
そうならないためにも、冷静に求人票を確認し、不明点や不安点はコンサルタントに相談するなどして確認しましょう。
いかがでしたか?
「今よりも良い職場へ」「スキルアップがしたい」と転職を考える理由は人それぞれです。
しかし、共通することは、「してよかったと思える転職」ですよね。
事前に分かれば、失敗することも後悔することもありません。
仕事が大変で、ゆっくりと考える時間はなかなか取れないですが、求人の内容や不明点の確認などをしっかりして転職を成功させちゃいましょう。