保育園に看護師っていらない感じ?3年目ナースが思う理由ときっかけ

保育園看護師として働いて3年。

日々、園児の体調管理やケガの対応など、看護師として関わっています。

しかし、保育士が主に仕事をする職場である保育園。

「看護師は、保育園にいなくても別に困らないのではないか」と思う場面もしばしばあります。

今回は、筆者の体験も踏まえながら、保育園で働く看護師の仕事についてまとめてみました。

実際にどういった仕事があるかなど体験談も交えながら紹介していきますので、保育園看護師に興味がある方はぜひ最後まで読んでみて下さいね。

目次

保育園看護師の人件費は高い

保育園の看護師はどのくらい給料がもらえるのか。

各園によって違いますが、常勤看護師の1か月の給与は25万円前後です。

それに対し、保育士の給料は20万円前後となっています。

俳句園看護師の給料は、保育士と比べると少し高いですよね。

保育士の場合は休日出勤もありますが、看護師は休日休みとなっている所がほとんどで、残業もほぼありません。

保育士の給料や労働条件からすると、保育園看護師の人件費が高いと言われるのも納得ですね。

保育園看護師は医療行為はできない

保育園で働くうえで、どんな仕事をするのか気になるところですよね。

病院で働く看護師は採血や点滴、医療器具の操作など様々な医療行為が日々行われています。

しかし、これらの医療行為は医師の指示によるものと法律で定められています。

医師が常駐している保育園はありませんから、できる医療行為は限られてきます。

保育園で行う医療行為の内容は

・医師が処方した処方薬の投薬

・ケガした時の処置

・大きなケガなどの緊急時は病院受診や救急車の要請

などです。

最終的な判断は保育園看護師ではなく、理事長や園長がす

筆者が保育園で働いて一番驚いたことは、「決定権はすべて理事長あるいは園長にある」ということです。

例えば、保護者に電話1本することでさえ許可が必要な環境ですから、看護師であっても例外ではありません。

園児の体調不良で早退するかどうかの最終決定も、園長の指示で行われます。

看護師の仕事は、「園児の状態を把握し、病院受診や自宅療養が望ましいと判断した場合に助言する」という感じです。

理事長や園長と良好な関係であれば、さほど負担には感じませんが、立場が上の人に「助言」というのは、なかなか神経をつかいます。

保育園に看護師が必要ないと感じた場面

筆者が経験したことなのですが、その年保育園内でインフルエンザが大流行し、保健所に報告する事態になりました。

「書類を作成しなくては」と看護師としての重要な仕事に気合を入れて出勤すると、すでに常勤保育士によって提出書類がすべて用意されていました。

助かりましたが、無力感を感じたことは言うまでもありません。

ケガや投薬も、看護師がいない場合は保育士が対処しています。

看護師がいなくても保育園の業務はいつもと変りなく行われている現状に、「看護師がいなくても大丈夫なのでは?」と感じることはしばしばあります。

保育園看護師は本当に必要?徹底調査

では保育園に看護師は本当に必要ないのでしょうか。

保育園での1日の中で看護師はどういった仕事をするのか。

時間軸でご紹介していきます。

・8:00~9:30頃まで・・・登園

遊んでいる中で転んだりぶつけたりというケガが1日に何件もあります。

どのようなケガか判断し、患部を冷やしたり、ガーゼやばんそうこうを貼ったりと適切な処置をします。

・11:00~12:00・・・昼食

食後の内服補助をします。

薬の内容が処方箋と合っているかは事前に確認しておきます。

・13:00~・・・午睡

体調が気になる子がいる場合は保育士から相談を受けます。

・15:00~・・・おやつ⇒降園

夕方からは熱など体調を崩す子も多いため、体調を崩した子は他の子と場所を移動して、看護師が子どもを観察しながら保護者のお迎えを待ちます。

簡単に1日の流れを書いてみました。

またこれ以外にも看護師として任される仕事があります。

~その他の仕事~

・予防接種状況の把握や検診のセッティング

・保健だよりの作成

・手洗い教室や歯みがき教室の実施など

このようにそれぞれのタイミングで看護師としての仕事があるんですね。

法律的な面での保育園での看護師設置基準

法律的に看護師は配置義務があるのでしょうか。

厚生労働省令による「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」では、乳児4人以上が入所している保育所は保健師・看護師・准看護師いずれか1人に限って保育士とみなすとされています。

しかし、これは看護業務としてではなく、あくまで保育の担い手としての設置基準です。

私立保育園の場合は厚生労働省が2013年度までに看護師の常駐を義務付けました。

これにより、保育園の規模に問わず全ての私立保育園には必ず看護師が常駐しています。

一方、公立保育園の場合は各自治体への「看護師の配置を促す」いわば「努力義務」にとどまっています。

私立は看護師の人件費の半額を国が負担をしているのですが、公立は全額自治体の負担になっていることが、「努力義務」にどどまっている理由のひとつと考えられます。

公立保育園民営化が進み、私立保育園が増えていく中で、保育園看護師の需要は年々増加しています。

保育士が思う保育園に看護師が必要かどうか

筆者が勤務する保育園では、保育士もケガや病気の対応を看護師なしで行うことができます。

看護師がいなくても保育士だけでなんとかなってしまう現状。

保育園看護師は必要なのかどうか。

保育士も子供を保育する上で、感染症やケガの知識・対処法は学んでいるんですね。

しかし、より専門的な知識は看護師でないと分からないことがあります。

例えば、内服についてです。

筆者が勤務する保育園では、以前保護者から預かった薬は、処方箋などの確認はせず服用させていました。

その結果、1日2回内服の薬を保護者が誤って持ってきてしまい、保育士も気づかず服用させてしまったという出来事がありました。

看護師常駐となり、処方箋を確認するようになったことで、そういった事態も起こらなくはなりましたが、医療の現場であったら大事件です。

保育士も怪我や伝染病などについての知識はあったとしても、薬となると専門外なんですね。

そういった点においては看護師がいると安心、いてくれてよかったと感じてくれているようです。

保護者の保育園での看護師に対する意見

「保活」している保護者の方は、たくさんの保育園を見学し、自分の子どもによりよい環境の場所を探しています。

安心して子どもを預ける条件の一つとして、看護師がいることを入れている方も少なくありません。

0歳から子どもを預けるとなると、突然の体調不良や投薬など、不安なこともたくさんありますよね。

勤務先の保護者に話しを聞いたところ、保育方針の次に「看護師がいるから」という理由で保育園を選んだという意見も多かったです。

保護者も病気やケガの相談もできることから「保育園看護師」がいることで安心できるようです。

保育園に看護師っていらない感じ?そう思った理由ときっかけ:まとめ

保育園看護師の仕事は、内服の補助やケガの処置、病気になった時の対応がメインです。

医療現場とは仕事内容や勤務形態、給料が大きく違います。

保育がメインの現場では「保育園看護師は本当に必要なのか?」と思うこともしばしばあります。

実際、現役で保育園看護師をしている筆者も、自分が必要とされているか悩むことがありました。

しかし、看護師がいることによって安心だと感じている保育士や保護者はたくさんいます。

「看護師がいなくては」という場面は確かに少ないですが、「看護師が必要ない」ということではなく、もしもの時に看護師がいれば安心できるということなんですね。

保育園看護師。

年々その需要も増加してきています。

医療現場での勤務以外にも、看護師として保育現場で働くというのも検討してみてはいかがでしょうか。

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