現在、看護師の仕事形態が多様化しています。
日勤・夜勤の勤務以外にも時間や曜日などが選べる、派遣看護師の仕事が注目されています。
- 病院
- クリニック
- 介護施設
などの医療現場はもちろんのこと、それ以外にも固定した職場ではなく、
- 健診
- イベント
- 修学旅行の添乗ナース
など、時間や場所に縛られない案件も数多く存在し、働き方に対する選択肢の広さも魅力の一つですね。
しかし派遣看護師は、自分で働き方を選べる反面

常勤の人と上手くやっていけるのか?
派遣看護師って、トラブル多そう…
そんなイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
今回は、そんな派遣看護師によくある職場でのトラブルや、その時の対処法についてご紹介します。
この記事を参考にして、派遣看護師として快適に働けるようになれば嬉しいです。
派遣看護師が感じたことがあるトラブル
それでは一体、どんなトラブルが派遣看護師にあるのでしょうか?
ここからは、それぞれのトラブルについて項目ごとにまとめました。
人間関係のトラブル
派遣先でのトラブルは様々ですが、中でも人間関係のトラブルが大きな精神的負担となり、その職場を離れたいと感じている方もいます。
契約時間内で働く派遣看護師は、常勤の看護師とは勤務内容が異なることがあり、
- 点滴当番
- 検査出しの介助
- サポートで回る仕事
を任されることがあります。
常勤の看護師の中には、

患者さんをみていない
何をお願いしても、できない
など、派遣看護師を見下すような発言をする人がいます。
看護師の仕事は忙しい中で、いかに正確で間違えのない仕事が出来るかが重要となります。
しかし時にスピード感を求められるような緊急の場面があると、そのリズムに乗れなかった人に対し、そのことを攻める様な看護師がいます。
また管理職の人が相手でも、

仕事をしないのに、命令する
と師長や主任がターゲットになったりと、人間関係がこじれている職場も少なくありません。
仕事内容に関するトラブル
仕事内容に関するトラブルの中には、
- 連絡のミス
- 変更があった際の対応
など、それらにつながる様々な要因があります。
医療ミス
あってはいけないミスの第一位となるであろう、医療ミス。
短時間に情報を把握し、その現場にあった対応を求められる派遣看護師は、常に新しいことを取り入れ、判断しなくてはなりません。
しかし常勤看護師とは異なり、「次にその職場に行った際には、状況が変わっている」なんていうことが多々あります。
そうした環境下で、ミスを起こしてしまうこともあります。
機械トラブル
医療現場で使用する機械は、人命をサポートする大事な役割を担っているものが多いものです。
また検査に使用される機械も、患者さんの状態を把握するために非常に重要なアイテムとなります。
しかしこれらの機械は、
- メーカー
- 形状
- 使用方法
について異なる点があり、扱いに慣れていないためにミスをしてしまうことがあります。
患者さんや利用者さんからのクレーム
担当者があらかじめ決まっている病院や介護施設では、新しく入ってきた派遣看護師を「知らない人」として、よそ者のように見ている患者さん、利用者さんもいます。
信頼関係を築きにくい点で、クレームになることもあります。
仕事先や、派遣先ごとでのトラブル
派遣会社に登録している看護師は、派遣会社との雇用契約を結んでおり、病院や出向先の職場ではありません。
しかし、この仕事形態がトラブルを引き起こす場面もあります。
サービス残業を求められる
医療現場では、緊急の事態やそれに伴う医療行為で「時間通り」が通用しない場面があります。
しかしその様な事態でも、ナースコールや電話での問い合わせ等、様々な業務に対応しなくてはなりません。
人手が不足する場面などで、サービス残業を求められることがあります。
派遣先から直接雇用の話を持ち掛けられる
派遣看護師は、派遣会社から紹介された職場で、決められた期間と時間でお仕事をします。
この為、派遣先の病院等が直接その看護師を雇用するのには、きちんとした手続きが必要とされています。
直接雇用に向けた手続き(日本看護協会より引用)
派遣仲介会社からの内容と仕事先の話が違う
実際に派遣会社より紹介を受け、いざ仕事場に向かうと、
- 勤務時間内の人数や
- 配属された場所での仕事内容
が、聞いていたものとは異なることがあります。
派遣看護師のトラブルを解決させるコツ
ここまで派遣看護師のトラブルについてお話ししてきましたが、では一体、どうしたらこのトラブルを解消できるのでしょうか?
ここからは、そのトラブルの解決方法についてご紹介します。
派遣先の職場におけるトラブルについては、個人同士で話し合うのではなく、まずはどこに相談するかを考えることも重要なポイントです。
また納得がいかず、言い争いが起きそうな場面においても、それらを避ける為、冷静な対応を心掛けることが求められます。
人間関係のトラブルを解決させるコツ
嫌味を言われたときに自分を否定せず「いつでも辞めてやる」くらいの気持ちで気楽に働く
まずは、自分が今行っている仕事の形態は、「常勤ではなく、派遣社員」だということ。
辛い職場環境を続けて、自分自身が壊れてしまうのではなく、期間が決まっていると割り切って仕事をしてみるのも、自分を守る為の考え方です。
派遣会社に伝えて職場を変えてもらう
いくら期間が決まっているとはいえ、職場から自分が仕事にならない様な扱いを受けることがあれば、すぐに派遣会社に相談しましょう!
自分にあった職場は必ずあります。
我慢をする必要はありません。
まずは、自分を守る行動が大切です。

常勤のような、わずらわしい人間関係のない職場にいきたい
子供が小さく、どうしても仕事時間を制限しなくてはいけない…
看護師のみなさんは、それぞれの事情や環境で、働き方を選択しています。
派遣看護師というだけで、常勤の看護師から不当な扱いを受ける理由は、どこにもないのです。
人間関係のトラブルにおいては、
- まずは派遣会社に状況を伝えること
- 状況を悪化させないためにも派遣先の職場には直接文句を言わない
ようにしましょう。
仕事内容やミスをしたときの解決させるコツ
医療ミス:派遣先の上司や周り、派遣会社にすぐに報告する
これは、社会人として当たり前のことですが、「報告・連絡・相談」は鉄則です。
また、医療はその先に命という大切なものをお預かりしています。

医療ミスが発覚したら、すぐに報告しましょう。
患者さんからのクレーム:医療接遇を知っておく、仕事上クレームがつきやすい人がいるか確認しておく
自分自身を守る為にも、マナーや態度は重要です。
しかし丁寧な対応をしていてもクレームがあるのなら、他に原因があることも考えなくてはいけません。
(患者さん側の問題・職場のスタッフの問題)
この事を踏まえて、事前に患者さんの状況を把握することが大切です。
とはいえ、派遣看護師は、連日同じ職場にいる訳ではありません。
仕事先や派遣先でのトラブルの解決方法
派遣会社に確認する
派遣会社では、これまでに様々な看護師の方を紹介してきた実績があります。
この為、
- 派遣に登録したばかりの方
- ベテランの派遣看護師の方
様々な方達と接し、サポートを行っています。
その為、
- 扱っている派遣先がどんな職場で
- これまでトラブルがあったか
など、知っている情報があれば、それを事前に聞いておくのも良いですよ。

また自分自身がトラブルにあった場合の連絡先なども、事前に確認しておきましょう。
派遣先と直接取り決めせず、派遣会社を必ず挟むようにする
どんな時にも、直接話し合いをせずに、派遣会社を挟みましょう。
「言った」「言わない」など、直接話すことで、証拠となるものがありません。
あった出来事はその場で派遣先に報告しても、その後のやり取りは派遣会社を挟んで確認してもらいましょう。
派遣先から直接雇用が派遣会社にバレたら、そのあとの仕事がなくなる可能性があるので気を付けよう!
派遣看護師は、あくまで雇用主は派遣会社であること。
このルールをしっかりと考えて行動しましょう。
派遣看護師のトラブルに対処できる保険に入っておくのもおすすめ

派遣看護師がトラブルに遭っても対応できるように、事前に備えておくことも大切です。
- 看護職賠償責任保険:患者さんや入居者の傷害事故への備え
看護職賠償責任保険制度(看護職賠償責任保険制度より引用)
- 医療従事者災害補償プラン:ケガをしたときの備え
医療従事者賠償責任保険(医療従事者災害補償プランより引用)
何かあった時に身を守るためにも、保険に入っておくことも視野に入れておいてくださいね。
派遣看護師によくある人間関係や職場のトラブルと対処方法まとめ

派遣看護師によくあるトラブルとして
- 常勤看護師からの心ない発言や行動
- 常勤でいないため職場の環境の変化に対応しづらい
- 患者さんや利用者さんからのクレーム
- 派遣先から直接雇用を持ち掛けられる
- 事前に把握していた仕事内容と違う
などがあります。
それらを解決するためには
- 派遣社員として期間限定の存在だと割り切って考える
- 派遣会社に何でも報告・連絡・相談
- 派遣先に直接取り決めない
- 任意で賠償保険に入っておく
ことが大切です。
看護師として働く形態が多様化しているからこそ、自身でも臨機応変に対応していきたいですね。
あなたがしっかり心積もりをしてから、派遣看護師として働けるように、この記事が参考になりますように。